「四谷ひろば」のブリュットナー

来年のコンサートの打ち合わせに「四谷ひろば」にお伺いしました。
歴史ある四谷第4小学校が昨年廃校になり、区民のコミュニティの拠点「四谷ひろば」として生まれ変わりました。体育館では子供達が一輪車の練習中、教室では、区民の方たちがサークル活動をされていました。

メモリアルルームに置かれているブリュットナーは、1935年製です。
木造校舎が焼失し、昭和10年にドイツ様式の新校舎が完成。
翌昭和11年、四谷第4小学校後援会が、銀座の東京ピアノ商会から3000円(現在の600万円くらい)で購入したものだそうです。

091212私は、若い頃、フォイリッヒというライプツィヒ生まれの楽器を使っていましたが、ブリュットナーもライプツィッヒ生まれ。音の深さに、何か共通するものを感じました。
ブリュットナーは、アリコートと呼ばれる4本目の弦を持っています。つまりハンマーが叩くのは3本ですが、ハンマーに触れない1本の弦が共鳴し、独特の音色と響きが醸し出されるのです。
シューマンやブラームスを試し弾きしましたが、柔らかでしっとりした味わいの音でした。少し弦が錆びているのが気になりますが、壊れた足を修復する際、オリジナルの響きを残すために、あえて弦はそのままに残したのだそうです。

来年の春、このブリュットナーのコンサートが予定されています。
新宿に住むピアノ弾きとして、新宿に伝わるブリュットナーの音色を披露させていただこうと思います。

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