9月15日、ロヴェレートのホテル・レオンドーロ(LEONDORO) をチェックアウト。サチーレに向かいました。途中、モーツァルトの三大オペラを書いた台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテにご挨拶。
ダ・ポンテは、ヴェネト州チェネダでユダヤ人の家系に生まれ、キリスト教に改宗。ヴェネツィアの放蕩暮らしの後、ウィーンで活躍、そしてロンドン、ニューヨークへの移住。人生そのものがドラマのような人物です。けれど生地にある銅像は、穏やかで真面目そうな好男子として制作されていました。
自然豊かなサチーレに到着。イタリアを代表するピアノ「ファツィオリ」のパオロ社長と御子息です。ランチにお招きくださり、緑の中での音楽談義。「ファツィオリに合う作曲家は?」とお聞きすると「ドビュッシー、ストラヴィンスキー、ショパン・・・」。独自の音世界を作り上げた音楽家の名前があがりました。
社長さん自らが技術者出身で、50人ほどが働いておられる工場でも 実際にこまかな指示を出していらっしゃったのが印象的でした。御子息は、経営学を学ばれたスマートで優しい青年。
毎年、斬新なモデルを発表するファツィオリ社。船のデザインのピアノも記憶に新しいところです。工場には中国向けの赤いピアノもあり、驚きました。伝統を重んじるウィーン・ベーゼンドルファーとは異なるコンセプトと言えるでしょう。
工場内にはコンサートホールもあり、演奏会も催されています。
製造工程およそ2年。ひとつひとつのこまかな作業を拝見してからショールームに戻るとピアノがまた違って見えました。
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