N響・第9

日本年末の風物詩はやはり第9です。
本家ドイツでは、特別な交響曲としてめったやたら演奏されることはない曲の部類に入っているのに、遠く離れた日本では毎年12月に入ると第9、第9と続きます。
サントリーホールなど大きいホールのピアノを手がけておられる調律師さんのお話ですと、12月は、オーケストラの本番がどっと入ってピアノの調律がぐっと減るそうです。

今日は、N響による第9をNHKホールで聴きました。
クルト・マズア氏の指揮は、造形的ではっきりと形を見せながら進んでいきます。ただ、それがときどき、自然な流れではなく、人為的に動かしているように感じてしまうのは、私だけでしょうか。
また、ソリストにもそれを要求しているのか、極端なピアニッシモを出そうとするあまり、不自然になってしまったりするような場所も見受けられました。
けれど何はともあれ、トップクラスのプロ集団、N響の技倆とバランス感覚とよって、統一のとれた世界として築き上げられ、お客さんの反応は、去年よりも大きな拍手で受け容れられていました。

コーラスは、おなじみ、わが国立音大のコーラスにプラスして、東京少年少女合唱団隊が加わり、鈴の色、天使の声のような効果を出していました。

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