「モーツァルトとベートーヴェン」名曲聞き比べ

立川法人会女性支部主催のコンサート。
今年で連続5回、セレモアコンサートホールで弾かせていただいております。一年に一度、楽しみにしてくださるという会員の方もいらして、光栄です。

5回目の今日は、これまでの集大成ということで、小品ではなく、古典派の2人のピアノ・ソナタを聞き比べていただく会としました。
モーツァルトは、K283のト長調のソナタ、
そしてベートーヴェンは、作品53のワルトシュタイン。
軽やかでしなやか、はつらつとした若さあふれるモーツァルト19歳の作品と、ベートーヴェン中期の円熟期、最高峰と言われる「ワルトシュタイン・ソナタ」をじっくりお聞きいただくことで、二人の個性、音楽感、語法の違いをお感じいただけたかと思います。

ウィーンで活躍した二人の作曲家の作品を演奏するのは、ウィーンの伝統を今に伝える名器、ベーゼンドルファー。
このところ、絶好調で、楽器としてぐんぐん良い音になってきている楽器です。

形式美の世界の中で、ひねり技やお洒落な装飾を行う神童モーツァルト、
確固たる構築性の中で哲学を語り、自然を表現する人間ベートーヴェン。
続けて演奏することでよけいに、二人の違いが浮き彫りになりました。
「モーツァルトとベートーヴェンでは、聞いていて体に入ってくる場所が違う気がします」
と言ってくださった方の言葉が印象的でした。
おそらく弾く方も、脳の中の、体の中の、あるいは心の中の、それぞれ異なる場所で弾いているのかもしれません。

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