ケーゲルシュタット・楽器の位置

いつものように羽田空港の駐車場へ向かと、長蛇の車の列。
まったく動く気配がありません。
3時間待ちの状態です。
横入りしてくる行儀の悪い車を眺めながら、ただ茫然と待つほかありません。
そうこうしているうちに、飛行機の出発時刻は迫ってきます。
お盆の帰省ラッシュがまだ続いているのでしょうか。

空港に着くと、国立音大演奏部のスタッフはじめ、共演の先生方の顔が見え、
間に合った・・・と、ほっと一息です。
クラリネットの武田忠善先生も同じ目にあってしまったとか。

福岡からホテルに向かい、夜は、近くの会場で合わせ。
ケーゲルシュタットは、モーツァルトの遊び心が最も生きる編成です。
3という数字は、ベクトルの働き方によってどちらにころぶかわからないようなスリルがあり、弾くたびに、あるいはメンバーによって、毎回違った演奏になるのが面白いところです。
ビオラとクラリネット、どちらが右側に座るかで、いろいろ試してみました。
室内楽は、座る位置で、かなりバランスが違ってきます。
結局上を担当するクラリネットが客席から見て左側に来るほうが、あきらかに自然な響きになる、ということで一軒落着。
トリオは、誰が主役で誰が脇役、というのではなく、3人すべての個性が生き生きと活躍してはじめて曲の魅力が花開きます。
場所によって三角形が様々な形に変化する面白さです。
この曲、最初に演奏したときは、第1楽章の出だしなど、
「やりにくい」
と感じましたが、回を重ねるごとに遊べる部分が増えてくると、楽しい曲になってきました。

明日の本番は、また何が起こるか楽しみです。
中州に繰り出し、川べりを散歩し、福岡のおさかなで一杯。
ケーゲルシュタットを生真面目に弾かないためのガソリンです、・・・・なんちゃって。

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