国立音大・新校舎スタート

国立音楽大学では、この9月から新校舎がオープンしました。
工事の車が行き交い、通行できない場所があったりでしたが、晴れて演奏棟としてスタート。
充実した演奏設備とレッスン室など、嬉しい新1号館です。

今日は、室内楽作品研究とピアノ・ソリストコースの作品分析の最初の授業があり、新1号館の使い初めでした。
まだ自分のレッスン室がどこにあるのか、地図を見ないと行けないくらい、中の建物は広く、圧倒されますが、快適な演奏空間で、気持ちよいスタートです。
室内楽で、実際に弦、管、ピアノがどのように響くのか、来週からの演奏が楽しみです。
音響可変装置もついており、楽器の編成によって音響を変えることもできるそうです。

午後、ソリストコースのメンバーとショスタコーヴィッチの前奏曲とフーガの分析を行っているときに、ドアをノックする音が。
ドアの外に立っていたのは、台湾からの留学生、陳さんでした。
作曲科の陳さんは、今日から、私の「作品分析」ファミリーの一員として授業に参加することになりました。
概念や楽語もその瞬間から英語に。海外のサマーセミナーなどで海外体験の豊富な学生諸君は臆することなく積極的に陳さんをリードしてくれます。
ショスタコービッチのプレリュードを分析しながら、クライマックスがどこにあたるか、議論しているとき、目を輝かせて陳さんが発言。
「この部分は、タクトが倍になって音が長く響く。ここがなんとも言えず美しい。この箇所こそクライマックス!」
遠い調になった箇所ではなく、長く伸びる響きにクライマックスを感じた陳さん。
違う視点を持ち、異なる教育を受けてきた学生とともに学ぶことによって、互いに刺激になり、私自身も新たな発見が多いように思えます。
名前を聞くと「天祐」君だそうです。
父は「天祐」の祐をとって、私に祐子と名付けたのですが、これも何かの縁かもしれません。
110916

コメント