ジャン・フィリップ・メルカールト オルガンコンサート

東久留米の聖グレゴリオの家聖堂でのコンサート。
聖堂で静かに始まる演奏会。
駅から森を通って抜けたところに、聖グレゴリオの家があります。
メルヘンの世界に入るような建物で、日本でないような雰囲気です。
スウェーリンク、パーセル、ブルーンスに続き、バッハのトリオ・ソナタの3番と「音楽の捧げもの」より「6声のリチェルカーレ」。
途中の拍手がお嫌いなメルカールトさんは、控えめにそっと登場し、聴衆のために演奏する、というより、祭壇に向かって、あるいは、神様のために弾く、という姿勢が伝わってきます。
過剰な演出や派手な仕草は一切なく、そこにあるのは、神様に仕える一人の音楽家、という姿です。
札幌のキタラホールの6代目専属オルガにストで、奥様は日本女性。
所沢ミューズで後進の指導にもあたられているとのことで、お弟子さんらも来ておられ、人柄の優しさが伝わる演奏でした。
それにしてもバッハの偉大さをあらためて感じます。
音密度、音楽の表現の豊かさ、そして慈愛に満ちた精神、他をもって代えがたい、まさに神の音楽と呼ぶしかない完成度です。
モーツァルトの「自動オルガンのためのアンダンテ」がアンコールに演奏され、うれしくなりました。
自動オルガンでなく、メルカールトさんの手によって弾かれるモーツァルトは、素朴な音色で、チャーミング。
懐かしく感じjられるような響きの中、温かい雰囲気でコンサートが閉じられました。

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