N響楽定期&円山町

横浜の長浜ホールで、オールショパンプログラムの本番を終えてから、渋谷のNHKホールへ。
N響の定期を聴いてきました。
指揮はモーシェ・アツモンさん。R・シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲イ長調『トルコ風』、そして、ブラームスの交響曲第1番です。
モーツァルトのヴァイオリン・ソロは、ロシアの若手、セルゲイ・クリーロフさんでした。
クリーロフさんの音は、とても綺麗で、この音楽のあふれんばかりの喜びと憧れが、抑制された形でよく表現できていたように思いますが、やや音程の不安定なところがあったのが残念でした。
圧巻は、後半のブラームスでした。アツモンさんの指揮は、奇をてらうことのまったくない、渋いというか、塩と胡椒だけで味付けしたドイツの家庭料理という趣きです。全体としてゆったりとしたテンポをとり、堂々たる名演でした。
NHKホールで聴いてときどき感じるのは、ティンパニの音と弦の音が、ときどきずれて聞こえることです。この日も、曲の冒頭で、ティンパニと低音部の弦がずれているように聞こえました。それが、演奏のせいなのか、ホールの構造によるものなのかは判然としません。

コンサートの後、小雨の降る中を、円山町まで歩き、路地を徘徊し、おでん『秀』で打ち上げをして帰りました。かすかに花街の雰囲気があるこの界隈は、しっとりとした秋の雨に濡れ、なかなかいい風情を醸し出していました。

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