須坂バッハの会

「須坂バッハの会」
礒山雅先生のクラシック音楽講座。第12回の最終回。

第1部の礒山先生の音楽芸術のお話は、音楽家にとっても愛好家の方にとっても示唆に富むもので、目から鱗でした。楽屋でお聞きしながら、音楽が、様々な芸術の中で、特別な存在であることをあらためて感じ、音楽をやってきてよかった、と感じるひとときでした。
第2部では、ピアノ・ソロを弾かせていただきました。
まずは、ニ短調のファンタジー。
この曲は、C・P・E・バッハの影響も感じられる変化に富んだ前半と歌心軽やかな後半とに分かれます。
次にJ・C・バッハのソナタ、そして締めはウィーンの最高傑作のソナタKV333。
歌舞伎の花道のようなスタイルの舞台で、温かいお客様との一体感を感じながら弾かせていただきました。

休憩をはさんで第3部は、国立若手ホープ2人登場。
リート、「すみれ」「クローエに」、そして
「ドンジョヴァンニ」からオッターヴィオのアリア「私の愛する人を慰めに」とドンナ・アンナのアリア「おっしゃらないで、私の憧れの方よ」。
質も息もあっている二人の二重唱で、
「コジ・ファン・トゥッテ」からフィオルディリージとフェルランドの二重唱「誠実な婚約者の腕に」
アンコールは、シューベルトのガニュメイトとバーンスタインのトゥナイト!

この季節、風邪や乾燥など声楽家にとってハードな条件ですが、二人とも本番で最も調子よく自分を出しておられるように見受けられました。
声に不安がない歌い手さんと協演させていただくと、ピアノは伴奏ではなくオーケストラとして弾くことができるような気がするのです。
あらためてモーツァルトがオペラの中で実現させたオーケストレーションの素晴らしさ、そして、管楽器などそれぞれの音色に託した歌とのアンサンブルなど、様々な面を再認識でき、楽しい舞台となりました。

「私は、本当は、歌い手になりたかったのです。今回の人生は、こんな声に生まれてしまったので、ピアノで歌を歌える人を目指したい。そしていい歌い手さんとたくさんいい音楽をつくっていきたいと思っています」

最後のインタビューコーナーでは、ついつい本音が出てしまいました。
若手二人との共演で、解放された気分になったのかもしれません。

礒山先生、すざかバッハの会会長大峡さん、テノールの小堀勇介さん、ソプラノの種谷さん、と記念撮影。

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お世話になりました、須坂バッハの会の皆様に心から御礼申し上げます。

コメント

  1. yuko より:

    そうなんです。
    ピアノ演奏者には、二通りあって、器楽タイプと声楽タイプだそうです。
    私は完全に後者のタイプです。

  2. nishisan より:

    夢は、歌い手でした、か。