ドビュッシー「音楽と美術」

~印象派と象徴派のあいだで~とサブタイトルのついた展覧会が、ブリジストン美術館で行われました。
ブリジストン美術館開館60周年を記念した企画で、オルセー美術館、オランジュリー美術館との共同企画。
講座やレクチャーコンサートも合わせて開催されていたのですが、どうしても日程が合わず、けっきょく最終週になってようやく鑑賞することができました。

北斎の「冨嶽三十六景」「神奈川沖浪裏」などジャポニズムの影響は当然作品にも表れており、「金色の魚」や「海」など、日本絵画の世界を音に移し替えた見事な作品群を残しています。
船乗りになりたかったというほど海を愛したドビュッシー。
音楽と同じくらい絵が好きだったドビュッシー。
自然界から、そして彫刻や絵画から多くのインスピレーションを得て、時代の中で、それらを音にしていった様子が伝わります。
カミーユ・クローデルの作品と出会えるとは思っていなかったので、感激!
見たい見たいとずっと思っていた作品だったからです。
何年か前にフランスで見たきり、折に触れ思い出していたカミーユの作品。ドビュッシーは彼女の作品をずっと部屋に飾っていたといいます。
ドビュッシーの愛用した見事な日本製煙草入れなど、日本人として嬉しくなるような展示品も。
ルノワール、ガレ、ドニ、マネ、モネなど同時代の画家たちの名作がずらりと並び、見応え充分。
そしてドビュッシーへの様々なアプローチを通じ、ドビュッシーが生きた時代が見えてくる秀逸な企画でした。

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