国立音大・新入生のためのコンサート

昨日朝10時。家を出て、いくつか用事をすませて帰宅する途中、ひどい雨にやられました。
前日、素敵な傘を買っていたのですが、「爆弾低気圧接近」のニュースに、なんだか使うのはもったいないような気がして、古い傘を持参。
それがたたってか、猛烈な雨風に自分ともども吹き飛ばされそうになり、おまけに傘は一撃を受け、すぐに「おちょこ」状態に。その一瞬あとには、傘ではなく、ただの「骨」になってしまいました。
自分でもおかしいやら情けないやら、そして雨は冷たいやら・・・で、さんざんな朝でした。

一夜明け、昨日の雨が嘘のような晴天。
国立音楽大学講堂大ホールで、新入生のための基礎ゼミ演奏会が行われました。
今年のテーマは「音楽の情熱、音楽への情熱」

小林裕先生によるモーツァルトのオーボエ・コンチェルトに続き、後半は、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」のハイライト。
総合司会の久保田慶一先生とオペラのナビゲーターをされる小林一男先生の解説で、音楽の道のスタートにたった新入生へのお祝いのコンサートです。
今日のオペラは、高橋薫子先生、小堀勇介さん、久保田真澄先生、須藤信吾先生、矢田部一弘先生、依田朝子先生と、すべて国立の卒業生で舞台をつくりあげておられ、あらためて「アンサンブル」の強さを実感しました。

高橋先生、久保田先生とは、昨年大阪のいずみホールでご一緒させていただきましたが、一段と艶のあるお声の高橋先生、絶好調の久保田先生の舞台は楽しく、小堀さんは、昨年コンサートで伴奏して以来、久しぶりに声を聴くことができましたが、福井敬先生のご指導のもと、若手ホープとしての輝きを放っていました。

ある学生曰く。
「オペラで歌っていないとき、歌い手さんは何をしているんだろうと思っていましたが、歌っていないときも仕草や目線などで、内容が伝わってくることがわかりました」
初めてのオペラ体験となる学生も多く、そういう素朴な疑問からスタートし、オペラの歴史や舞台芸術のことまで調べ始めるようになってほしい ― 4月の基礎ゼミコンサートは、そういった「きっかけづくり」としての役割も担っているようです。
受験を終え、いきなり大学の授業が始まるのではなく、大学生活に入るためのガイダンス、そして大学の仕組みや教授陣の個性、各施設の使い方からレポートの書き方まで、懇切丁寧な指導が行われる試運転の期間です。
その期間中、数人に一人という教授陣の指導が入り、学生にとっても評判の良い「基礎ゼミ」です。
私にとりましても、普段会うことのないほかの分野の先生方や学生たちと交流することができ、とても楽しい期間でもあります。

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