村上春樹の最近作と「ノスタルジア」

ある方から、こんなメールをいただきました。
読んでみたいです。

「とうにお気づきかとは思いますが、村上春樹の最近作 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 にミーハーの目を向けたところ、いかにも音楽オタクらしくストーリーの主題音として、リストの巡礼の年第1年「スイス」第8曲 Le mal du pays を使っていました。
ふつう「望郷」と訳されているようですが、作者推奨のベルマンを聴きながら所蔵CDをあさってみたら、何と久元さんのピアノ小品集『ノスタルジア』の標題曲にぶち当たりました。
巡礼の年シリーズは名だたるピアニストが一部をつまみ食いしていますが、僕の知る限り、第1年第8曲に箸をつけた人は皆無に近い。
そんな地味な名曲をいち早く発掘し、ノーベル賞有力候補が吹聴するより10年も前にアルバムの冒頭に掲げた人がいる。
久元さんに脱帽。  
村上はジャズにくわしく、クラシックも小澤征爾もびっくりのオタクです。作品の中でしばしば「知られざる名曲」を隠し味に使い、読者を迷わせます。
前作でも確かヤナーチェクのシンフォニエッタを取り上げ、街のレコード店に問い合わせが殺到したそうです。今度も騒ぎになるでしょうが、すでに過去の人となったラザール・ベルマンのグラモフォン盤は絶版で、いま市中に無いのでは? 
「村上ファンはぜひ久元さんのアルバムを聴くべきだ」
夕べ会食したT君にそんな話をしたら、モーツアルト専科の彼はキョトンとしていました。
微力ながらクチコミに努めます。
妄言多謝。 」

コメント

  1. yuko より:

    nishisan
    ラトビアの作曲家について書かれた本ですか?

  2. nishisan より:

    ラトビアの作曲家を読んでからノスタルジアを聴いています。