第一生命ホールで行われた、東京アカデミーオーケストラ (TAO)第43回定期演奏会に出演させていただきました。
今回は、いつもより広い会場で、ということでしたが、たくさんのお客様がいらしていて、TAOの人気のほどが窺えました。
TAOは、慶応のワグネルと早稲田オーケストラ出身のメンバーで構成されています。慶応と早稲田は、ラグビーの世界ではライバルですが、音楽の世界では、TAOを通じて厚い友情関係が築かれているようです。
モーツァルト39番のシンフォニーが生き生きと演奏され、続いて、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番 KV466。
「ドン・ジョヴァンニ」の調であるニ短調の名曲です。
「指揮者がいない怖さ」と「指揮者がいない楽しさ」、その両方を痛感した今日の演奏会でした。
第3楽章で、長調になる瞬間、天に上るほど嬉しい気持ちがあふれました。
学生の頃、「ドン・ジョヴァンニ」とこの20番、なぜ、ニ短調のまま終わらず、ニ長調に転調して明るく終わるのだろう・・・・ニ短調のままの方がドラマティックでいいのに!と思っていました。今では、この転調こそがモーツァルト!と思えるようになっていますが、今日は、改めて、これまでの「短調継続願望を完全撤回!」という気分になりました。
全く予定していなかったアンコール。
練習もしていなかったトルコ行進曲を、頂戴した拍手の中で弾かせていただきました。
そういえば、トルコ行進曲もイ短調からイ長調へ転調して終わります。今まで意識してきませんでしたが、もしかすると人気曲の秘訣は、短調から長調へ・・・という面もあるのでは、と感じた次第です。もう1曲の短調コンチェルトの名曲、ハ短調第24番。こちらの方は、第20番に比べてなんと演奏回数が少ないことでしょう。
モーツァルトが降りてきた瞬間、モーツァルトにいたずらをしかけられる瞬間・・・・一瞬たりとも気を抜けないモーツァルです。
これから先、モーツァルトの本番のたびに、それを感じることになることでしょう。
後半のシューマンを楽屋モニターで聴き、大拍手!
TAOの皆さん、本当にありがとうございました。
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