ブラインド・タッチ

先週は原稿書きの締切が重なり、パソコンで数万文字、一気呵成に書きました。
図書館のエッセー、「ピアノの本」の連載、出版まじかの本、コンサートのプログラムノート・・・。

先月は、卒業試験期間中に、講義シラバス作成。240回分の講義内容を2晩で書き上げました。
キーボードを見ないで早く打てることができて本当に助かったと思っています。

私がホノルル留学直前に主人が「ブラインド・タッチができたほうがいいぞ。君はピアノが弾けるからキーの場所さえ覚えればきっとすぐできるよ。」と言い、パソコン・ブラインド・タッチ養成キットを買ってきてくれたのが15年ほど前のこと。たしか、渡航準備をしながら数日でマスターして機上の人となりました。

当時は、コンピュータのパワースイッチの場所もわからないほどの初心者でしたが、JAIMS(日米経営科学研究所)の先生方やクラスメイトが、私のあまりの無知に仰天して、親切にいろいろ教えてくれました。音楽家ですので、いただいた経営学の成績優秀賞は全く役にたっていないのですが、渡航前にマスターしたブラインドタッチは、今大いに役立っています。

大学も完全にコンピュータシステムが導入され、シラバスもコンピュータで打ち込み、学生も直接コンピュータから情報をとり、提出もコンピュータで行う、という時代になりました。アメリカでは授業記録もネットで読める大学があるそうです。膨大な紙の資料がファイル一つにおさまる時代になり、欲しい資料や楽譜がクリック一つで入手できるようになりました。

けれど、私の場合、自分のスケジュール管理は、まだ手帳派です。突然アイフォンの画面が黒くなってしまった友人や、トイレに水没させて予定が全部わからなくなった先生など、まわりにコンピュータ被害者が多いせいで、紙信仰が厚い人間になってしまいました。

それに本の出版のときも、最後は、やはり紙での確認作業です。色や雰囲気、レイアウトの状態は、やはりコンピュータを通さず、直接人間の目で見ないと微妙に違うのです。

今日も「校正は、新幹線の中でお願いします。何号車ですか?座席番号は?」と訊かれ、東京駅の新幹線ホームで待ち時間3分の間に編集担当女性Oさんと校正紙の受け渡し。
「なんだかOO7みたい。」という私に
「恋人同士みたいって言ってくださいよ。相手が私で悪いですけど。。。ま、見送るのは恥ずかしいからここで失礼しますね」と颯爽と駅の階段を下りていかれました。

コメント

  1. yuko より:

    打つのが早くても、頭の回転がノロいので、差し引きゼロで~す。

  2. nishisan より:

    すごい腕前なんだ。久元さんへのイメージが変わりました。