基礎ゼミ

新入生のための基礎ゼミの1週間が終了しました。
毎年、桜のこの季節、自分が大学に入学したころを思い出し、不安と希望が入り混じった心境を思い出します。

私は、なんと大学入学式直後、水疱瘡に感染し、保健室に直行。最初のレッスンをお休みせざるおえず、情けないスタートを切ったのでした。担当の松浦豊明先生(当時、芸大助教授)は、電話口の向こうで「な・なんと・・・幼稚園児じゃあるまいし」と呆れておられました。

さて、今年の基礎ゼミでは、幼児教育のクラスを担当。普段ほとんど接することのない幼稚園の先生を目指す学生たちとともに過ごしました。

基礎ゼミは、新入生のための準備期間なのですが、自分自身にとっても大いなる刺激と勉強になる1週間です。
以前から幼児教育のクラスは、結束の堅さ、チームワークの強さで抜きんでているように思っていたのですが、その理由を垣間見ることができたように思えます。

美術出身、かつ子供大好きな宇佐美明子先生が、エネルギッシュに組織をまとめあげ、学生は、行事を通じて社会性を身に着け、それぞれの個人が個々の役割を果たし、結果としてチームワークが確立していきます。

理念の面でも教育はすでに始まっています。懇切丁寧なレポート指導を通じて、学生生活で必要な学ぶ姿勢と幼児教育の実践への道が示されていきます。

幼児教育最前線におられる西原彰宏先生のお話では、幼児教育に携わるメンバーが世界中から集まり、国境、宗教、言葉、政治の壁を越え、犠牲になっている子供たちを救うために知恵を出し合い、世界平和のために人事を尽くしているそうです。子供たちが平和に生きることのできる世界を教育者は常に念頭におかねばならないのです。

神原雅之副学長先生が最後に紹介されたのが、釜石小学校の校歌(井上ひさし氏の作詞)でした。東日本大震災で小中学生の生存率が99.8%だった釜石。”釜石の奇跡”と讃えられた釜石の小中学校の生徒さんのとった行動は、自分で考え行動するというものでした。マニュアルではなく、自らの考えでとった、即座に避難する行動が、結果として命を救うことになったというものです。

同じく、井上ひさしさんの「難しいことは易しく、易しいことは深く、深いことは面白く、面白いことは真面目に、真面目なことは愉快に、愉快なことはもっと愉快に」という言葉が心に残りました。易しいことをわざと難しく説明することがないよう、気を付けたいと思います。

幼稚園の先生としてたくさんの子供たちに接することになる「幼児教育科」のみんなにとって、実り多い学生生活でありますよう・・・願いをこめてソプラノの澤畑恵美先生と私のピアノで、演奏のプレゼント。楽しい基礎ゼミが終了しました。

コメント