チェンバロの日!2015

日本ンチェンバロ協会主催の「チェンバロの日!2015」が、松本記念音楽迎賓館で行われました。
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声楽、バロック・ヴァイオリン、リコーダーとのデュオ、また2台チェンバロなどの演奏会を通じて、アンサンブル楽器としてのチェンバロに焦点があてられたのが、今年の特徴です。
会場には、久保田彰さん製作フレミッシュタイプ、安達正浩さん製作のフレンチタイプ、かやの木山さん製作のイタリアンタイプ、深町研太さんのジャーマンタイプのチェンバロなどが展示され、実際に音色の違いを味わうことができ、またチェンバロのメンテナンスや調律についての講座も充実した内容でした。50分という短い時間で、込み入った古典調律の話やチェンバロのメンテナンス一通りを、加屋野木山さん、佐藤俊二さんが、それぞれに要点を押さえ、緻密に論点を組み立て、見事にまとめあげておられました。
野村満男先生の特別講座「チェンバロ製作家・柴田雄康さんを偲んで」は、満員の盛況。柴田氏のお人柄、当時の音楽事情、またフレミッシュチェンバロについて詳細なレクチャーをされました。野村先生は、Ruckersの実像についてもお話しくださり、実際にその楽器を使ってのコンサートでは、渡邊順生先生と中川岳さんの演奏で、ルイ・クープランの組曲ニ長調とJ.S.バッハのトッカータ ト短調。聴きごたえのある豊かな内容と美しい響きでした。
渡邊順生先生、大塚直哉先生らと懇親会でもご一緒させていただき、チェンバロ談議をお伺いしたのですが、お料理は、久保田氏はじめ、チェンバロ製作家の手作りお料理が並びます。プロ級の腕前のチャーシューやポトフ、スモークサーモンなど・・・。楽器作りとお料理は、共通点があるのかもしれません。
チェンバロの音色に魅せられ、製作の道に入られたり、演奏に携わったり、チェンバロ音楽をこよなく愛したり・・・。それぞれの関わりの中で、豊かな古楽の世界を堪能しておられるオーラが会場の隅々から伝わってきました。

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