キャットアート

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1月に池袋で開催された「CATART美術館」は、ニューイヤー・コンサート出演などで忙しく、見逃してしまいましたので、今回の渋谷西武での展覧会を楽しみにしていました。
SHU YAMAMOTO さんによって名画になった猫ちゃんたち。会場は、たくさんの猫好きの方々が作品に見入っておられました。中でもプレクシグラスで制作されたミュシャのステンドグラス作品(230cm×120cm)の美しさと迫力には、ため息が・・・。
毎回趣向を凝らした内容と展示、素敵なパンフレットで私達を魅了してくださるアップルファームさんの企画制作です。
昨年発刊の画集『ニャーヴル美術館』(講談社)などで親しんできた猫ちゃんたちの実物に会い、嬉しい午後でした。画集で想像していたより、実物のほうがはるかに大きな絵だったり、あるいはその逆だったり。でも毛並みや色合いはやはり近くで実物を見ることでSHUさんの息遣いが直に伝わってくるように思えます。
1948年、横浜生まれのSHUさん。愛知県芸のデザイン科を卒業後、カナダ、アメリカへと居を移しておられます。
ピアノのお好きなSHUさんらしく、それぞれのブースでモーツァルトやショパンのピアノ曲が流れていました。
モーツァルトを聞きながら猫の絵を見ているうちに、2014年3月18日にモーツァルトのもとに旅立たれた高橋英郎先生のことが心に浮かびました。『モーツァルト書簡集』の翻訳で知られ、「モーツァルト劇場」を長年主宰してこられたモーツァルト研究の大家です。大の猫好きでいらした高橋先生は、たくさんの猫のお産に立ち会われたそうで、とりあげた赤ちゃん猫の数を聞いてびっくりしたことがあります。
音楽家には猫好きな方が多く、数年前共演したある指揮者の方は、日本滞在中どっさりと「猫草」を買い、スーツケースにびっしりと詰めて帰国されました。
会場で猫によるパロディーを見ていると、SHUさんのユーモアに思わず大笑いしてしまいます。悩みや心配事が吹き飛んでしまう展覧会と言えましょう。美術でありながら「笑い」があるのです。ところが、まわりの方は、実に静かに真面目なお顔で見入っておられるのです。もしかしたら、心の中でにんまり笑っておられるのかもしれませんが・・・。日本はなんと慎み深く行儀が良い国なのでしょう。きっとSHUさんのアメリカにおける展示会は、ゲラゲラガヤガヤと賑やかに違いありません。 
「CATART美術館ーSHU YAMAMOTO 名画になった猫たちー」、渋谷の西武にて5月8日午後8時まで開催中です。
neko

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