ボールペンの騎士

小学校の頃から辞書を引く時、この単語が見たい!という思いがあるとパッと開けたときにそのページや単語が出てくる、ということがよくあります。

先日もある曲を調べようと分厚い全集を手に取り、何も考えずにパッとページを広げるとその曲が出てきたのには驚きました。

500分の1、600分の1というような確率なのに、けっこうそういう偶然が起きるのです。
みなさんもそういうこと、ありませんか?

「やった!」と思い、時間をずいぶん節約した気持ちになるのですが、そのあと、見当たらないものの探し物をしたりして時間を無駄に使ったりしますから、けっきょくプラスマイナスゼロというところかもしれません。

それでも、何かを強く望むと、向こうからこちらにやってくることがあるそうです。「神様はいる!」と思う瞬間です。

今日は、練習の合い間に親友と昼ごはんを食べ、駅前のポストにレターパックを投函しようとしたところ、郵便番号を書き忘れていたことに気づきました。ところが、駐車場の車に鞄を置いてきてしまっていて筆記具を持ち合わせていません。

ボールペン、必要のないときには、5本も6本も持っているのに、肝心な時に1本もない!
そこでの選択肢は3つ。
1遠い駐車場までボールペンを取りに帰る、2郵便番号を書かずにそのまま投函する、
3近くを歩いている人からボールペンを借りる、
です。

よし、今日は勇気をもってずうずうしく3で行ってみよう!と意を決してまわりを見渡しました。
しかし日曜日ということもあり、持っていそうな学生さんやビジネスマンは誰も通りません。
ボールペンとは無縁のちっちゃな子供がたくさん通るのに・・・。

あきらめて2にしようと思った矢先、トントンと私のほうに近づいてこられる60歳くらいの紳士のお姿が。
なんとその紳士の胸ポケットにボールペンがささっているではありませんか!
親友と私の目は、そのボールペンに釘付け。

その紳士は「昭和記念公園はどっちですか?」と道をお尋ねになりました。
普段よりも丁寧に丁寧にお答え申し上げたあと、
「あの~~~すみませんが・・・」とボールペンをお借りし、無事投函。
原稿締切にギリギリセーフでした。

ボールペンの騎士様、ありがとう!と手を振りながら、昭和記念公園に向けて楽しげに歩いていかれた紳士をお見送りしました。

コメント

  1. yuko より:

    nishisanは、おっちょこちょいなところがひとつもなく、尊敬!です。全てに気配りと優しさで接しておられ、用意周到。忘れ物や探し物のない人生、脱帽です。

  2. nishisan より:

    そうですね。面白いですね。
    オッチョコチョイですね。