国立音楽大学 進学ガイダンス

5月3日国立音楽大学 進学ガイダンス&体験レッスン、そしてミニコンサートがヤマハミュージック横浜で開催され、トランペットの山本英助先生、声楽の久保田真澄先生とご一緒させていただきました。
朝10時にレッスン開始。受験を前に課題曲を持ってきてくださった受験生やこれから音楽の道に進むことを考えている生徒さん達と向き合う2時間。受験生にはゴールデンウィーク、夏休み、お正月などあまり関係ないことかもしれません。
午後のミニコンサートでは、ピアノ・ソロ、そして久保田先生のバリトンで木下牧子:〈ほんとにきれい〉とロッシーニ:「セビリアの理髪師」から〈陰口はそよ風のように〉、トランペットの山本先生によるテレマンのトランペットソナタ ニ長調。
久保田先生は、大学オペラでも重要な役どころで、存在感を出しておられますが、普段のお話の声も優しく穏やかで、受験生の緊張をほぐしてくださるような感じでした。久保田先生の曲が2曲ともハ長調でしたので、それに先立っての私のソロもモーツァルトのハ長調のソナタKV545 にしました。ハ長調であっても様々な色に移ろいを見せたり、光と影が交錯する名曲です。
山本先生は、途中トランペットの種類を変えながら、祝祭的で明るい1楽章、悲しみの2楽章、生き生きとした3楽章を演奏。トランペットの美しい響きが会場に満ち、バロック時代の空間に飛翔する時間となりました。
image
個別相談コーナーでは、受験生の皆さんから大学や入試、そして音楽の勉強に関する様々な質問を頂き、できるだけ具体的に役立ててもらえるような答えを心がけたつもりです。
お話ししながら、自分の受験の頃を思い出しました。緊張と不安と夢と希望が入り混じった濃密な時間が流れる受験期間、体調に気を付けて夢が現実になるようベストを尽くして!という応援メッセージをこめました。
午後から夕方まで再びレッスン再開。10人のレッスンを終えて思うのは、中学生ですでに各々の出すピアノの音には個性があり、高校生でそれぞれの演奏スタイルが出来上がってきているということです。ある意味スポーツと近い要素を持つ「楽器演奏」は、身体の発達年齢に合わせた訓練が最も著しい効果を発揮すると言ってよいでしょう。
そしてソルフェージュ、聴音、和声、楽典などは、単に受験に必要なだけでなく、音楽を続けていく上での大きな武器となる基礎力であり、音楽の花を開かせる土台でもあります。目先のノウハウだけでなく、じっくり取り組んでほしい、と自分への反省もこめて思った次第です。
先日、秋吉敏子さんのライブ映像を見ました。87歳とは思えないエネルギッシュな音楽です。身体からエネルギーがあふれ、音楽を生み出し、その音楽からエネルギーがさらに湧き出してくるかのようでした。それぞれの道で、これから長い音楽人生を歩むことになる受験生の皆さんが、ずっと音楽を友として生きてくださるように!と願いながら、帰路につきました。

コメント