進化するモーツァルト

新宿文化センターにて開催されました「進化するモーツァルト」に出演させていただきました。
連休の中日にも拘わらず、多くのお客様がご来場くださり、感謝しております。

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~日曜日の午後、気軽にピアノ・コンサート~と銘打たれたシリーズで、1時間ほどのミニコンサートなのですが、
幻想曲、ソナタ、コンチェルト(2台ピアノ版)を続けて・・・という曲目は、弾くほうにとっては”気軽”とは言えない内容です。オーケストラパートを竹内俊平さんが温かな音色で弾いてくださいました。

新宿文化表

モーツァルトが未完で筆を置いてしまった曲に対し、どのように補筆が行われてきたか、
自筆譜発見によって、これまでの解釈がどう変わっていくか、
左手などが書き込まれないままで残された「協奏曲」の楽譜にどう音を加えるか、等々。

進化、深化、新化?!とも言えるモーツァルト受容史、そして解釈・演奏の新たな可能性などについてもお話しさせていただきながら、演奏会を進めました。

地元新宿の音楽教室に通う子供さんもたくさんいらしてくださっていたようなのですが、客席の水を打ったような静寂には驚きました。

新宿は、私が中学、高校、大学時代を過ごした街でもあります。カオスの中にエネルギーがあり、匿名性の中に人情もある不思議な街です。多感な時期を新宿で過ごし、若く未熟な頃から育ててもらってきました。その頃から演奏会にいらしてくださっているお客様、20年ぶりに再会した旧友、普段忙しくてなかなか会えない親戚など、終演後は嬉しい再会のひとときでした。

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アンコールは、モーツァルトに憧れたショパンのワルツを2曲。
モーツァルトの頃のピアノは、19世紀に入り大いに発展し、ピアニズムも進化していきました。
そんな中、即興性、歌心、詩人の魂を持ったショパンがピアノのために残した作品には、
モーツァルト時代の繊細さと歌があふれているように感じています。

お世話になりました新宿文化センターの皆様、春の午後のひととき、お付き合いくださいました皆様に御礼申し上げます。

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