童話の日

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最近、ピアノ調律師さんを主人公にした小説や映画が話題になっています。先日CHABOHIBAホールのオーナー、小峰美子さんからいただいた素敵な童話も調律師さんの世界を描いたものでした。
緑の表紙にピアノとピアニスト。そのシンプルな絵のカバーをはずすと、中の赤い表紙に調律道具一式が光る銀で描かれています。ピアニストの出す音の裏には、「調律」の光る技あり!という凝ったデザインの装丁です。
「人生で自分の好きなことを仕事にする以上に幸せなことがあるかい?」という帯の言葉。
ピアノ調律の仕事が好きで好きでたまらない女の子が、名調律師である祖父の後継者として一人前に育っていく過程が温かな目で描かれています。
ゴフスタインの絵は、シンプルでありながら、ファンタジーを膨らませることができる不思議な魅力があります。
五線譜同様、すべて白黒の絵なのですが、そこから「響き」や「色」や「想い」があふれてくるのです。
末盛千枝子さんの訳も素晴らしい。台詞が自然で、ストーリーが丁寧に紡がれていきます。
ホールのベーゼンドルファーを通じて「調律師さん」の仕事に触れ、この絵本に出会った美子さん。
文学少女だった美子さんは、常に本や映画や演劇などに敏感で、これまでにもいろいろご紹介くださいました。
今回は、偶然、同じ日に、童話の交換と相成りました。
私からお渡しした本は、身内の出版で恐縮だったのですが、昨年暮れに主人が出版した童話、「ひょうたん池物語」。
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こちらは、有村綾さんによって可愛いい絵が描かれています。
日本の里山を愛し、原風景を守りたいという想いが、ひょうたん池に住む魚や動物たちの視線で描かれています。
以前、主人が「行政」に関する硬い本を出版したとき、ある方から「一般の人には、何が書いてあるか全くわかりませんよ。これは漫画にしたほうがいいんじゃないですかね。」と意見されました。漫画にするには、あまりに複雑な内容でしたし、”漫画化”に全く興味を示さなかった主人ですが、突然、柔らかなでしなやかな「童話」の世界に飛んだのには、周囲もびっくり。人は見かけによらないものです。

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