春を呼ぶコンサート

毎春恒例の立川法人会砂川東支部女性部会主催の演奏会。早いもので、今年で12回目となりました。今回のゲストは、国立音楽大学学長で、クラリネット奏者の武田忠善先生。
会場であるセレモアコンサートホール武蔵野は、大学から数分!ということで多忙な時間の隙間を縫ってお出かけくださいました。
ラボー、ドビュッシー、プーランクなどフランス仕込みの武田先生のお得意のプログラム。
音色の多彩さ、フレーズの味わい深さ、クラリネットの魅力全開の午後となりました。
音符や小節線ではなく、情景や色や想いが浮かび上がる名人芸です。
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「僕はクラリネットを吹こうと思ったりしてないんです。ベーゼンドルファーの多彩な音色に乘っているだけ。」と仰ってくださいましたが、そのお言葉は、伴奏者としてそのままお返ししたいところ。クラリネットの繊細なピアニッシモや息遣いに合わせていると、自然にベーゼンドルファーが力を発揮し、色を出してくれるのです。名手の管楽器とベーゼンドルファーの相性の良さに、改めて感じ入りました。
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「本当は、吹く合間には話したくないんだけど・・・。」と仰いながら、気さくにお話しくださった学長先生。
学長という重責の中でも演奏家として「朝練」をかかさないというお話や、フランスでのマスタークラスのこと、これまでの音楽人生について…等々。会場にお集まりの皆様にとって、興味津々の内容でした。
アンコールには、先生が日本音楽コンクールで優勝されたときに演奏なさったモーツァルトのクラリネット協奏曲の第2楽章。名曲の静けさと温かさに、涙を拭うお客様も・・・。
珍しく「雨の日の本番」。一雨ごとに春が近づいている今日この頃です。

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