人生フルーツ

先日、ぽれぽれ東中野で、映画「人生フルーツ」を鑑賞しました。愛知県の雑木林に囲まれた家に住む建築家ご夫婦の物語です。四季折々、ガーデンに植えられた野菜や果実が、奥様の手で、ごちそうに変わる、、、その日常が自然の風景とともに描かれています。
90歳の修一さん、87歳の英子さん。性格や好みが全て一致しているわけではないのも面白いところ。ジャガイモ好きで、コロッケが大好物の修一さん。英子さんはジャガイモは苦手。朝ごはんは、修一さんが和食で、英子さんはその隣でトーストを召し上がっておられます。
お互い無理をしない中で、寄り添い、思いやり、生活を共にする。ひと昔前は当たり前だったことが、今はいかに難しいか、ということも感じますが、現代の多様な生活形態、そして様々な人生のありようの中で、できる限り、その精神は受け継いでいたいと思っています。
とは言え、私自身を振り返ると、24歳で結婚したときには、365日違う中味のお味噌汁を作ろう、と意気込み、タラや鮭を丸ごとさばいたり、30人のお客様のお料理も作ったり、、、という時期もありましたが、今はすっかり旅から旅の生活になってしまいました。身体が2つあれば・・・と思うこともあるのですが、一度しかない人生、一つしかない身体をいかに生かすのか、家族、友人に感謝しつつ、毎日一歩ずつ進んでいるところです。
そんな中、正真正銘「人生フルーツ」スタイルのご夫婦にお会いするのは、とても楽しいひとときです。
先日、伺った北海道東川町のNさんご夫妻は、ご自宅の畑でたくさんの野菜を収穫しておられます。多くのお友達に囲まれ、子供さん、お孫さんとの時間も大切にする毎日。驚くのは、観光スポットで栽培されている花よりもっともっと大きく立派なお花が庭に咲いていることです。優しさと愛情に満ちたご夫婦の姿は、いつお会いしても、とても素敵です。
また、山梨県に住む友人Mさんは、太極拳の先生。東京出身ながら、自然に恵まれた今の生活をエンジョイしておられ、お料理上手の腕をふるう日々。手作りラッキョウは、シャキシャキして大評判。先日、演奏旅行の移動の合間、初めてお宅に寄らせていただきました。「高速道路事故渋滞」のメールを入れると「暇だからたくさん作っちゃうわよ。」という返事。
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「身体にいいもの」ばかりで作られたお料理が次々に食卓に並びます。趣味は、千切りだとか。
「千切り器とかは使わないの?」という私の野暮な質問に対して「大好きな”千切り”を機械なんかにやらせるなんて、もったいない。」という返事。まいりました。
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このあと千切りキャベツとおジャコのサラダ、自家製チャーシュー、自家製グリーンカレー、トマト寒天など、まだまだ登場しますが、写真を撮るのを忘れるくらいの満腹状態に・・・。最近のハードワークの疲れが一気に吹き飛んだランチタイムでした。

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