タリアヴィー二先生、安らかに。。。

イタリア国際モーツァルト協会の招きで、来月は、イタリアにまいります。
イタリア国際モーツァルト音楽祭全体のプログラムやタイムスケジュールなどのお知らせにまじって、
悲しいニュースがあり、涙があふれ、しばらく動けませんでした。
「ボローニャのタリアヴィーニ教授が7月11日に他界されたそうです。享年87歳でした。」
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タリアヴィーニ楽器博物館は、一昨年の演奏会の帰りに訪問。タリアヴィーニ先生から、直接、様々なご指導をいただき、夢のようなひとときでした。広汎な知識と楽器への愛情にあふれた方で、しかも歴史的楽器の第一人者としての権威的なところは微塵もなく、気さくでお優しい語り口に、あっと言う間に時間が過ぎてしまったのを覚えています。
広い館内をエレベーターではなく、階段をすいすいと登られていたタリアヴィーニ先生。
楽器の話になると、情熱が迸り、技術的なことまで、事細かにお話しくださった先生でした。
大きな病を克服された直後とは思えない、お元気なご様子でしたので、まだこれから何度もお会いできると信じていたのに・・・。
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国立音大の楽器学資料館所蔵ピアノのカタログをご所望くださった先生。「創立90周年のピアノプロジェクトで、現在カタログ制作中です。2017年に完成したらお持ちしますね。」という約束は果たせぬままとなりました。
「まだまだ話したりない、またすぐに来てくれるね。」と仰ってくださり、帰り際に「またすぐに来るね?」と念を押されました。
「貴方のタッチは、美しい音を歴史的楽器から引き出すことができるものだ。私の楽器たちも喜んでいる。」と貴重なオリジナル楽器を次々に弾かせてくださった先生。
「いい曲だ!」と特に気に入ってくださったのが、シューベルト(R.シュトラウス編曲)のクーペルヴィーザー・ワルツ。
研修中のアメリカの製作家夫妻まで呼んでこられて、ミニコンサートとなりました。
絵画の中で、静かに微笑んで聴いてくださった先生の姿は忘れられません。
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先生のご冥福を祈りながら、天国の先生に向けて、世界で1番古いベーゼンドルファーで、クーペルヴィーザーワルツを弾かせていただきました。
きっと天国でもたくさんの楽器の音色に囲まれていることでしょう。
タリアヴィーニ先生、安らかにお眠りください。

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