Kremsegg のピアノたち

朝6時半、リンツに向けてウィーンを出発。さらに列車で南へ。Kremsegg 城に向かいました。
リンツに留学されていたフォルテピアノ奏者の高橋真由さんのご紹介で、Kremsegg博物館にお伺いさせていただきました。

膨大な数のピアノ ピアノ ピアノ ピアノ・・・・。
フリードリヒ・グルダ氏、イェルク・デームス先生と並んでウィーン三羽烏の一人と称されるバドゥラ・スコダ先生のコレクションもここに集められており、特にウィーンの楽器の充実度は、目を見張るものがあります。
時代の異なるベーゼンドルファーだけでも8台。構造の変化と発展の歴史を 目でも耳でも指でも確かめることができる貴重な時間となりました。

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「今日は、ここを貴方のお部屋と思ってください」のお言葉に甘え、とことん歴史的ピアノと向き合った一日でした。シャンツ、ブロードウッドなど作曲の契機となったピアノたちの「音色」に触れることは、「音楽」に直に近づくことでもあり、同行のベーゼンドルファー調律師のTさん、I さん共々、興奮の一日でした。

ピアノの歴史を学ぶ人のために、クラヴィコードから現代に至る「ピアノの歴史」を展示した部屋も設けられており、リンツの音楽学生さんたちのための教育機関としても活用されているようです。上の階には、「フリードリヒ・グルダ特集」の一角があり、グルダのLP, 着用していたコート、映像などを楽しめるコーナーもありました。

ホルンのコレクションも多く、ホルン奏者でもあるキュレーターのミヒャエルさんからいろいろ教えていただけたのもありがたかったです。どうやって音が出るのか、全く想像がつかない楽器もあり、ホルンという楽器の奥深さと歴史をあらためて感じた次第です。アルプスの山並を響きわたるホルンの音色を想像しながら、Kremseggをあとにしました。

駅前の家族的なホテルで早めの夕食をとっていると、親切な宿の女主人が「あなたたち、日本からなの?」と近くに住んでおられる日本の女性2人に電話をしてくださいました。こちらの貴族と結婚された声楽家のTOMOKOさんとフォルテピアノ奏者の大村圭子さんが登場。食事のあとStift Kremusmunste にご案内くださいました。礼拝堂には見事なゴブラン織りがあるそうですが、修理中で覆いがかぶされており、素晴らしい図書館が併設されているけれど見学時間でないので見ることができず・・・。ちょっと残念なプチ観光タイムでしたが、いつかまたゆっくり訪れたい素敵な街でした。

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