イタリアへ

国立音大、後期の授業が始まりました。夏休みに経験を積み、一回り大きくなった学生たちに会えるのは、嬉しいひとときです。最初の授業と来週休講分の補講をして玉川上水を羽田空港に向け出発。
今週は、イタリア国際モーツァルト音楽祭で2回のリサイタル。4泊5日の強行軍です。
高井戸付近で、目の前に突如虹がかかりました。高速道路ですから降りるわけにはいきません。1枚の写真におさめるのは不可能なくらい大きな大きな完璧な虹でした。
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ルフトハンザ航空で飛び立ち、トランジットはミュンヘンで。窓から見える朝焼けが美しく光ります。
機内で、池内紀先生の新刊「闘う文豪とナチス・ドイツ~トーマス・マンの亡命日記~」をずっと夢中で読んでいたため、ミュンヘン空港で見かける男性が皆トーマス・マンに見えてしまいました。
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ヴェローナ行きの小さな飛行機に乗り継ぎ。「全員乗ったかしら?」とチェックしておられたキャビンアテンダントさん。このあと、ひと騒動とあいなります。お客様の中に急病の方がおられたようで、救急車の到着を40分待ち、お医者様の応急処置。どうやら深刻な病状ではなかったようで、その女性と娘さんは、笑いながらしっかりとした足取りで歩いて「みなさん、飛行機が遅れちゃってごめんなさいね~」と手を振りながら降りられました。お仕事をするのもハミングしながらの乗務員さん。この明るい雰囲気、やはりイタリアの人は違う!と感じます。仕事の話も、目を見つめあって表情豊かに・・・オペラの一場面のようです。
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飛行機に乗るといつも子供時代の愛読書「ノンちゃん雲に乗る」を思いだす私です。
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ミュンヘンからヴェローナまではおよそ1時間。屋根の色が統一されていて綺麗です。
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ヴェローナ空港で荷物が出てくるのもadajio。すべてがゆったりのイタリア時間。。。と思った瞬間、ターンテーブルが動き出しました。それがなんと日本よりはるかに速いスピードで回るのです。prestoなところもある国なんですね。
ロヴェレートに向け、車で1時間ほど。運転手さんが「右側に葡萄、左側にオリーブ」とにこにこ説明してくれました。ワインとオリーブオイル。どちらもイタリアの食卓に欠かせません。
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ロヴェレートは、山あいの街。モーツァルトがイタリアで最初に演奏会を開いた場所ということで、イタリアモーツァルト協会の本部があり、毎年国際モーツァルト音楽祭が開催されています。私は今回3度めの出演。
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ヴェローナは葡萄、トレントは林檎が名産だそうで、リンゴ畑も見えてきたところで、懐かしいロヴェレートに到着!
毎回の定宿は、ホテル・レオンドーロ。顔なじみのスタッフさんと再会。「チャオ!久しぶり!」
リニューアルされていて部屋がとっても綺麗になっていました。これから5日間の「我が家」です。
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明日は、朝からリハーサル。今回はフォルテピアノ(ヴァルターモデル)での演奏会です。
音楽祭全体のプログラムを見ると、現代ピアノの演奏会は「ピアノフォルテ」、歴史的ピアノを弾く私の演奏会は「フォルテピアノ」と記載されています。
ピアノ発祥の地イタリア、そしてモーツァルトゆかりの街での演奏です。
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