モーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲シリーズvol.3@サントリーホール

サントリーホール(ブルーローズ)でのモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲シリーズvol.3、おかげ様で満員御礼の中で演奏させていただき、ご来場の皆様に感謝いたしております。サントリーホールは、この9月にリニューアルオープンしたばかり。床も椅子も綺麗に張り替えられての演奏会となりました。
今回のプログラムは、最新CD「優雅なるモーツァルト」に収録したKV331とKV333に加えてKV332のソナタ、そして「幻想曲KV397」と「グレトリーの”愛の神”による変奏曲KV352」を加えました。
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KV397は、モーツァルトが未完で残した作品の一つです。これまで出版社が10小節補筆したバージョンが長年多くの演奏家によって愛奏されてきましたが、今回は、別の終わり方で演奏させていただきました。また、KV331は、2014年自筆譜発見バージョンによる版での演奏。これまでのエディションとの違いを会場に展示。KV331が休憩前の演奏だったこともあり、休憩時間に多くの皆様が興味深く見てくださったとのことでした。
CDリリースから2年。私自身、自筆譜バージョンが体に馴染んできたところです。「正しいモーツァルト」ではなく「美しいモーツァルト」を目指したいと思っています。
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ピアノは、昨年のリサイタルに続き、ベーゼンドルファー最新機種の280VC。
輪郭がはっきりしていて、敏感に直に反応してくれる新時代のベーゼンドルファーです。
ピアノの音色に関して、「昨年より、音がまろやかになった!」とこれまで続けてお聴きくださっている方から感想をいただきました。また「280VCの音色の素晴らしさは単に美音という表現では語り尽くせないような奥深さがあったように思う」と仰ってくださるベーゼンドルファー・ファンからのお言葉も。
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今回のテーマの一つに「即興」と「装飾」がありました。
未完のあと即興で演奏されたであろう幻想曲。テーマをもとに即興で変奏することを得意としたモーツァルトの語法が体現された変奏曲。自筆譜にはない装飾をふんだんに加えて出版したソナタなど。
この「即興」と「装飾」を受け継いだ作曲家ショパンをアンコールに演奏。「夜想曲」は、お弟子さんのために書き込んだ装飾音も加えて弾かせていただきました。
今夜の演奏会は、ライブ録音として来年1月にリリース予定です。
ベーゼンドルファーの音色とともに進行中のモーツァルト・ソナタ全曲演奏会。来年は9月22日に開催です。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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