ヴァルターで聞くモーツァルトとハイドン

セレモアコンサートホール武蔵野で、ハイドン、モーツァルトを弾かせていただきました。
当日朝の読売新聞が、写真入りで、取り上げてくださいました。

二人の肖像画を飾り、当時の響きで巨匠と天才の作品を聞き比べていただきました。いらしてくださいましたお客様に感謝しております。

ピアノフォルテは、弾き手の気持ちを敏感に伝える楽器です。
ダイナミックレンジは、相対的なもの。
聞き手も弾き手もずっと耳をそばだてる方向に持っていく感じで進む楽器です。

楽器との一体感、というものについて最近思うのは、鍵盤を押すときより戻るときの感覚が大切だということです。
鍵盤が戻ってくる動き、スピード、エネルギーがその楽器の息であり、それを感じることが出来たときはじめて、楽器を「感じる」ことができるように思うのです。

大きな音が出る現代ピアノでは、下品にならないために、ある種のコントロールが必要になってきます。
逆に、当時の楽器で弾くと、作曲家が行ったであろう大胆な表現や冒険心は、極限まで出すことができるように感じます。

高性能という面では太刀打ちできない現代のピアノ。
そのピアノに出せないピアノフォルテならではの魅力を出すために、経験をつみながらつかんでいきたいと思っています。

休憩時間には、サロンの雰囲気で、ワイン、チーズ、ケーキ、紅茶でおもてなし。
本当は、休憩時間も皆さんと談笑したいところなのですが、ワイン片手の会話はまたの機会にということにしました。。
調律の名取さんによると、オクターブは、ピアノフォルテは160ミリで現代ピアノは163ミリ。
この3ミリの違い、そして半分ほどの鍵盤の深さ。
その中でのコントロールは、飲酒運転というわけにはいかないからです。

お世話になりました「セレモアつくば」のスタッフの皆様、ありがとうございました。

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