楽しいクラシック25周年記念

「楽しいクラシックの会」25周年記念のコンサートがセレモアコンサートホール武蔵野で行われ、出演させていただきました。礒山雅先生のお話、小堀勇介さん、大武彩子さん出演。
10時開演という朝のコンサートです。リハーサルは、8時半集合。世の中、早起きの方はたくさんいらっしゃいますが、ほとんどの歌い手さんの喉にとって8時半は早朝?!です。
けれど、それを感じさせないお二人の熱唱でした。

はじめにピアノソロで、ショパン作曲リスト編曲の「私の愛しい人」をリスト時代1868年製エラールで。
そして朝なのに、なぜか「夜想曲」をプレイエルで。続けて「革命」。
歴史的ピアノから現代のベーゼンドルファーに移り、モーツァルト・プロ。
2楽章のテーマが、ドン・ジョヴァンニのレポレロのアリアと似ているKV545。
後半は、リート2曲「すみれ」と「クローエに」のあとドンジョバンニのアリア2曲。そしてコジの二重唱。
アンコールは、「ロミオとジュリエット」からアリエッタとカヴァティーナ。

ピアノを弾かせていただきながら感じたのは、四半世紀の長きにわたり続いてきた音楽のお仲間の方たちの絆と音楽を通じての友情です。そして、聞いてくださる会員のみなさんの「耳」です。
「耳をすませば心が澄む」、というお言葉を、以前、礒山先生からお聞きしたことがあるのですが、プレイエルのかすかなささやきや、エラールの一瞬のきらめきやベーゼンドルファーの温かな息遣い ― それらをキャッチしてくださる鋭敏な耳と心です。

「静けさ」を味わう感性、それはとりもなおさず、会員のみなさんの音楽への情熱からくるのだと思います。
毎月の研究会、そしてたくさんの音楽を聴いてこられ、バロックから現代まで、さまざまな作品を通じて、「耳をすます」経験の積み重ねからくるのではないかと感じました。
どんなピアニッシモも、小さな声も、聴いてくださる方の心に届いていく・・・そう思える瞬間が、奏者にとっての至福のときなのです。

午後からは会場を移して、記念パーティー。
雪の長野からも「すざかバッハの会」の会長さん、松本バッハの会の会長さんなどがいらしていて、にぎやかでなごやかな会となりました。
まさに「楽しいクラシックの会」でした。

25周年、心からお祝い申し上げますとともに、益々の発展をお祈り申し上げます。

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