木が ”楽器” として生まれ変わる時

2008年から行われていた清水寺の大改修が昨年暮れに完成。その際、役目を終えた舞台床板の木材でクラヴィコードが制作されたことが先日NHK朝のニュースで放映されました。その奉納を記念して「silk road ー祈りの道」展が16日まで開催されています。今回のクラヴィコードを製作された内田輝氏は、インタビュー記事によると、サックスで音大を卒業後、調律、クラヴィコード制作を始められたとのこと。氏の制作楽器はこれまで3台。最初の1台は自分のため、2台目は坂本龍一さんが購入、そして3台目がこの大プロジェクト。なんと幸運な制作者さんでしょう。装飾などには、老舗の職人さん達の技術が加わっています。

永い年月の祈りが込められた木が楽器として生まれ変わり、祈りの音色を奏でる。
清水の舞台から世界の檜舞台へ!強力な発信力でもって、静かで一見地味なクラヴィコードにスポットが当たり、時空を超えた音楽で伝播させていくことができるのも、この楽器が持つ魅力の一つでしょう。

ところで、2009年国立音大でも校舎の建て替えのために中庭の木々の伐採が行われ、その木を楽器として生まれ変わらせるくにたち未来プロジェクトが進行中。自然乾燥の時間をかけて制作が始まったピアノ、チェンバロたち。その音色が楽しみです。

silk road の情報を真っ先にドイツ語でFB投稿してくださったのが宮谷尚実先生。そして「国立音大のプロジェクト、今どこまで進んでいるのかな。」とメンションされたのがサックスの雲井雅人先生。
ずっとお会いしていないお二人なのですが、FBのおかげでキャンパスでお会いしている気持ちになりました。

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