アンサンブルの くにたち@羽村

羽村市ゆとろぎ大ホールにおいて開催された【羽村市・国立音楽大学連携協定締結記念プレミアムコンサート】に、ヴィヴァルディ《四季》のチェンバロ奏者として出演させていただきました。

前半は《ホルベルク組曲 第1曲》で爽やかに始まり、モーツァルトの《アイネ クライネ ナハト ムジーク》。そして後半は永峰高志先生のソロで《四季》というプログラム。

前半の最後に永峰先生による《四季》の徹底解説。
《四季》は、ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」11曲の中の第1番から第4番にあたります。それぞれに「春」「夏」「秋」「冬」のタイトルがつき、各曲3楽章からなり、全部で12楽章。そして自然描写のソネット(14行詩)が、音楽に添えられています。雨の音、小川のせせらぎ、鳥や犬の鳴き声などが生き生きと描かれた魅力満載の人気曲集です。それぞれの場面を音付きでお示しすることで、お客様からは「予習のおかげで後半聴く音楽がめちゃくちゃ楽しくなった」と大好評。

昨日は大学オーケストラスタジオでリハーサルの後、チェンバロをホールに移動し調整。ゆとろぎ大ホールの豊かな音響にほっとしましたが、この季節、湿度は30パーセント台。。。あと少し湿度が欲しい、、、と思った瞬間雨が降り出し、これぞ「恵の雨」。なんとか40パーセント台になり、これまたほっとした次第。しかもコンサートの時間帯、搬出の時間は雨がやみ、安全に移動ができたこともお天気の神様に「ありがとう!」、愛器に「助かったね!」と声をかけました。

弦の国イタリアで生まれた弦楽合奏曲。「弾いて楽しい」「聴いて楽しい」音楽を当時の人達も堪能したことでしょう。ヴィヴァルディの《四季》が作曲されたのが1725年。永峰先生の使用楽器は、国立音大所蔵の1723年製ストラディヴァリウス「ヨアヒム」。まさに《四季》が生まれた頃の楽器で、その響きとともに、弦のみなさんと一緒に合奏させていただくという光栄な時間でした。お聴きくださった皆様、共演メンバー、コンサートのためにご尽力くださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

ヴァイオリンの山川奈緒子先生と一緒の楽屋。音量バランスの的確な助言を頂いたり、四方山話に花が咲き、ソーシャルディスタンスを取りながらも笑いが絶えない楽屋となりました。

それにしても永峰先生のエネルギーに脱帽。グリーク、モーツァルトのコンサートマスター、協奏曲4曲分のソロ。指導、リハーサル、本番演奏、わかりやすくて楽しいトーク、そしてアンコール「G線上のアリア」「情熱大陸」まで。。。

メンバーに加わった学生達にとって、日頃から教えを受けている永峰先生、山川先生、ヴィオラの三戸誠先生、尊敬する先輩達と一緒の舞台に立つことは、最高の学びの場。まさに「アンサンブルのくにたち」の生きた教育です。その一体感と音楽の力は客席に伝わり、大いに盛り上がりました。

帰宅し、天気予報を見ていたら雪の予報図。赤い点々が、「冬」の「タンタカタカタカタ・タ・タ・タ」の音符に見えてしまいました(笑)。ヴィヴァルディの余韻で、まだしばらくは、鼻歌にも《四季》のモチーフがでてきそうです。

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