白夜の国の伝承音楽

国立音大楽器学資料館では、毎週昼休みに、世界の様々な楽器が紹介されています。先週そこで初めて知った西ノルウェーの民族楽器、ハーディング・フェーレ(ハルダンゲル地方のフィドル)。ヴァイオリンを少し小型にしたくらいの大きさで、指板には装飾が施され、ヘッドにドラゴンなどが彫刻されている見た目も美しい楽器です。

ガット弦が4本張られており、20通り以上の調弦方法があるのだとか。弓で弾く弦以外に、共鳴のための弦がその下に張られており、豊かな残響を与えてくれます。現存する最古の楽器は1651年製。グリークのペールギュント冒頭の独特の響きや、民謡を元にしたピアノ作品などによく登場する和音が出てきて感激しました。

今日は、北欧の伝統楽器「ハーディング・フェーレ」と、スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」のレクチャーコンサート【白夜の国の伝承音楽】が国立音大合唱スタジオで行われ、楽しみに聴きにいきました。
ニッケルとは鍵盤、ハルパは弦楽器と言う意味。鍵盤を押さえ弓で弾く4本に加え共鳴弦がなんと12本も!半音階も可能です。もとは1300年くらいから使われていた伝統楽器だそうですが、1970年代、半音階を駆使したベートーヴェン・ポルスカなども作曲されています。榎本さんの身体は、演奏とともに揺蕩うような舞踏のリズムで揺れ、踊りと演奏が一体となったハレの場の民族音楽に想いを馳せました。鍵盤と弦楽器が合体している不思議な楽器に目は釘付け。

野間友貴さん(ハーディング・フェーレ)、榎本翔太さん(ニッケルハルパ)のお二人の息のあったパフォーマンス。その場で踊りだしたくなる気持ちを押さえながら聞き入った90分でした。 (写真は、国立音大楽器学資料館のHPから)

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