第56回カワイピアノコンクール全国大会審査

朝一で横浜みなとみらいへ。カワイピアノコンクール全国大会ソロ部門Sコースに審査員として伺いました。129名の参加者から、各地区の予選を勝ち抜いた15名の皆さん。
昨年新設されたSコースは、高校2年生以上が対象になっており、高校生、大学生、卒業生、社会人の方まで幅広い年齢層の方が参加されておられました。

予選で必ず弾かなければならない課題はバッハ。ピアノの道における基本としてバッハが位置付けられています。
ピアニスト育成支援ということで、ソロ部門大賞受賞者には、翌年全国大会でのゲスト演奏や著名ピアニストの特別レッスンなどが用意されており、「大賞賞金30万円だけでなく、金賞、銀賞、銅賞、努力賞まで賞金が贈られるのはすごい!」と審査員室で話題になりました。

カワイ音楽教育研究所顧問をされておられる東誠三先生はじめ、武蔵野音大教授の重松聡先生、桐朋学園教授の朴久玲先生、ピアニストの寺田悦子先生らと審査員室でご一緒させていただきました。
東先生とは軽井沢大賀ホールで2台ピアノを共演させていただいて以来。嬉しい再会でした。

20分という時間の中で、どのようにプログラミングし集中力を保つか、音色やドラマをどう作るか、どのような音楽表現を目指すか、、、。同じSHIGERU KAWAI-EXを演奏しても、一人として同じ音楽はありません。各人が持っている音、音楽性、人柄すべてが出るのが「演奏」。

「弾く」だけでなく「聴く」ことにも優れ、ドラマ性とバランス感覚と集中力を持った演奏が光りました。審査の結果、金森愛さん(大学3年生)が大賞受賞。今後の活躍を期待したいと思います。
そしてコンクールなので賞や順位がついてしまうのは仕方ないのですが、賞に入らなかったとしても、たった一度の結果にこだわらず、これからの長い人生で、音楽を愛し続け大きく羽ばたいてほしい、と願っています。

朝はエレベーターに乗る前、降りたところ、審査員室、すべてにスタッフの方が待機しておられ、3名の演奏ごとに休憩をはさんで審査。夜の審査結果集計から表彰式まで「分単位」の完璧なタイムスケジュール。参加者への応援、音楽教育の一環であることへの意識、細やかな配慮など見事な運営でした。

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