第44回KOSMA音楽コンクール

テレビの天気予報図が年々複雑になり、恐ろしい色が増えている気がします。ひと昔前は30度を超えると「熱帯夜!」と騒いだものですが、35度が標準になっているなんて信じられません。それにしても台風被害のニュースに心が痛みます。海水温度が上がり台風が大型化。台風進路に一喜一憂する毎日です。

いろいろな催しや予定も、台風直撃を免れたら幸運、という季節です。

先日は、新横浜から新幹線に乗り深夜神戸の自宅に帰宅。翌8月5日に神戸市立中央区民文化センターでKOSMA音楽コンクールの審査をさせていただきました。神戸市民文化振興財団とKOSMA音楽愛好会主催。ピアノ部門・声楽部門、音楽を楽しむ方達で会場は大いに盛り上がりました。
音楽専攻、一般、15歳以下とクラスが分かれていますが、共通なのは音楽を楽しむ気持ち。

大バッハの次男、C.P.E. BACH の作品に「専門家と愛好家のためのソナタ」があります。プロにもアマチュアにも楽しんでもらえるソナタ、ということで出版されたものと思われますが、音楽の場合、その線引きはかなり難しい気がします。

アマチュア出身のプロの演奏家が、もともとのプロよりはるかに広汎な知識と豊かなレパートリーで着実に功績を残していたり、別に職業を持ちながら、レベルの高い演奏をされるプロ顔負けの愛好家の方にお会いすることもしばしば。そんな出会いに期待しながら、神戸に集まった「アマチュアクラシックフェスティバルin 神戸」の会場に伺いました。沖縄から参加された方は台風のため早めに神戸入り。京都や大阪からも多くの参加者の方が来られ、お得意の曲を披露してくださいました。

ピアノ部門は、ボルトキエヴィチの《クリミアのスケッチ~オーテへ・コーチェの岸壁op.8-1》を演奏された前川成仁さんが兵庫県知事賞。魅力的な旋律と和声の響きを楽しみながら演奏されたのが印象的でした。

声楽部門の審査員、下司愉宇起先生と共に驚いたのが、96歳で朗々と《九十九里浜》を歌われた陰山恭道さん。ピアノ伴奏を弾かれた5つ違いの奥様は美しく上品で凛とした舞台姿。音楽は元気と若さの源かもしれません。ご夫婦で音楽を分かち合う人生は素敵だと思いました。

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