礒山雅先生「音楽学研究法」 

磯山雅先生の「音楽学研究法」の公開授業。

「ライブ空間とコミュニケーションーライブハウスという音楽空間」
と題して、ゲスト講師として宮入恭平さんの講義、
そして「芸能の場におけるコミュニケーションについて」
と題された小金井麗花さんの研究発表、
吉成順先生の司会によるディスカッションでした。
普段、たまに出かける”ライブハウス”について学問的研究が行われる、ということを考えてみたこともなく、新鮮な90分でした。

1970年代から同時多発的に誕生したライブハウスは、ドリンク販売を伴う店がカテゴリー的に「ライブハウス」と呼ばれたのが始まりだそうです。
第1号は、京都発の「コーヒーハウス」。
1990年代から乱立し、スタイルも様々になり、2000年以降飽和状態だとか。
ロックの地位が下がり、ロックハウスの衰退とともに、逆にロックフェスティバルの観客動員数は好調な伸びを見せているそうです。

「ライブハウス文化論」の議論の中で、音楽とコミュニケーションの問題、
音楽がどのように提示され、どのように聴かれるのか、音楽が存在することで人々にどのような関係が生まれ、その力学的関係がどうなるのかなど、ロックの変遷と現状について意見がかわされました。
ライブハウスは、もはや、アイデンティティを共有する
「ペグ(釘)」
にすらならなくなったのでは、という宮入先生に対し、むしろ日常化されてきて人々の間に浸透している、という国立教授陣の見解。

90分という枠の中では結論が至るまでにはなりませんでしたが、「音楽学研究法」という総合ゼミを垣間見せていただいたことで、物事を突き詰めていく過程、学問の方法、ディスカッションの体系などを感じることができました。

コメント