点字

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今年度に入り、点字を少しずつ勉強し始めました。
昨年、演奏会に出演させていただいた折、お世話になりました公益財団法人 中山視覚障害者福祉財団の松田啓子さんが、テキストをご恵送くださり、レッスンのあき時間に紐解き始めたのですが・・・。
とにかく難しい・・・。目で見ながら仕組みを覚えるのもやっとのことで、これを見ないで指先の感覚ですらすら読むなんてことは、私には到底出来そうにありません。
今年は、全盲の新入生Mちゃんのピアノ・レッスンも担当させていただいています。明るくハキハキとしたMちゃんは、グループの皆とも仲良く協調しながらピアノの学びをスタートしてくれました。
目が見えないハンディを乗り越えて、、、、というふうに思いがちなのですが、皆が譜を読み終え「来週までに暗譜しましょう!」というときには、すでに最初の段階で暗譜が終わっている状態。一歩先に進んでいたりします。
視覚の情報がない分、聴覚、触覚に集中することができる、、、ということは、音楽を奏でる上で有利なこともあるのかもしれない、と最近思うようになりました。
けれどMちゃん曰く「目が見えない人が、皆、美しい音で弾けるわけじゃないです。」と。
固定概念や先入観で臨んではいけないことを教えてくれました。
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そして、複雑な点字楽譜をスラスラと読むMちゃんが、「盲学校の先生でも点字楽譜が読める人は、二人しかいませんでした。」と、挫折しそうになる私を慰めてくれる始末。Mちゃんによると点字は年毎に変化し、新しいテキストでは、英語などの表記がどんどん変わっているのだそうです。
先週は、レッスン前に屋上に6人で上がり、晴天の晴れ渡った空と富士山を眺め、深呼吸をしました。
Mちゃんに目の前の風景を言葉で説明する優しい仲間たち。気持ちのよい時間でした。
今日は、レッスン室前の銀杏の大木の若葉を拾い、1枚ずつ皆の机の上に置いておきました。
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秋になると大きくなって黄金色に輝く、キャンパス自慢の銀杏です。
生まれたばかりの若葉に触れて「わぁ。。。柔らかい!」とMちゃん。
今年の若葉の新入生の皆が、しなやかな感性ですくすくと、大きな木に育ってほしいと願っているところです。

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