銀座・山野楽器でコンサート

山野楽器・銀座店でのミニコンサート。
今回はショパン特集です。
以前デームス先生から、ショパンとドビュッシーにはベーゼンドルファーという楽器は少し温かすぎる、と言われたことがあり、ヒンヤリとした質感を表す曲、あるいは鋭さを表現するような曲のときには、愛するベーゼンドルファーをあえて選ばないこともあります。
ただし、今日は、リスト編曲のものを2曲入れたこともあり、ベーゼンドルファーのリス・トモデルを弾かせていただきました。
楽器店で行う演奏会の良いところは、いくつかのメーカーの楽器から取捨選択できる、ということです。

ベーゼンドルファーを弾く、ということで、コンサート会場には、リストがベーゼンドルファーを弾いている絵が飾られました。
リハーサル中に子供さんが来てじっと聞いているので、子犬のワルツを弾いてあげたら、ずうっと身動きしないで鍵盤を凝視。
きっとピアノをしているお子さんなのでしょう。
以前、お会いしたときは、新人としてお店に入社したばかりだった芸大の後輩が、すっかり仕事にも慣れ、テキパキと仕事をこなしている姿に感服。
お店という雑音もある会場だとそれに対抗して大きな音で弾きたくなるものですが、今回は、逆にピアニッシモで勝負。
聞こえるか聞こえないかのような超弱音のトロイメライや遺作のノクターンに、かえって耳を傾けてくださるように感じました。
「思い出の曲をありがとう」
「亡くなった母の好きだった曲なんです」
と声をかけてくださったり・・・。
コンサート会場とはまた一味違う、アットホームなひとときでした。

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