メンデルスゾーン:2台のピアノのための協奏曲

サントリーホールで行われる「ガレリア座20周年コンサート」にゲスト出演させていただくことになり、先月からその合わせに入りました。
ガレリア座で長くピアノを弾いてこられた榎本祥子さん、そして、芸術監督の八木原さんと一緒に曲をつくっていく過程は、本当に楽しい時間です。音楽が好きで好きでたまらないガレリア座のみなさんの思いが形になるさまを実感します。

シューマンは、
「夕闇の迫るころ、ピアノの前にすわって、何とはなしに夢見心地で指を遊ばせているうちに、しらずしらず小声で旋律をくちずさむとき、たまたま、その人が、自分で旋律に伴奏がつけられ、ことに彼がちょうどメンデルスゾーンのような人だったとすれば、たちまち美しい無言歌ができる」
と、書いています。
たしかに、メンデルスゾーンの無言歌は、自然な歌が口をついて出てきたかのような感がありますが、2台のピアノのための協奏曲は、コンチェルトなので、少し手がこんでいます。
ほんのちょっと小技を利かせて、1回目と2回目の音型を微妙に変えてみたり、アーティキュレーションを違えてみたり・・・。
すごい意味があるわけでも、哲学を語るわけでもなく、同じことをしない遊び心という感じです。
でもそのちょっとした悪戯のおかげで、めくるめくファンタジックな世界が展開していくのです。
プロはだしの水彩画を描いたメンデルスゾーン。
まるで音で絵を描いているようなところがあり、こまかな筆遣いだったり、キャンパスの上で絵具を重ねながら自分の色をつくっていようなところもあります。また、遠近法的要素もあり、運動的要素もあり、本当に、楽しい曲です。

ガラコンサートの最後のステージは、ザルツブルクからのソリストもオーケストラに参加し、私はコーラスに参加。
赤いドレスを着たままコーラスメンバーに加わる予定です。
コーラスの伴奏はこれまで何度も弾いてきた私ですが、声を出すのは、もしかして初舞台?!
しかもサントリーホールとは・・・。
ピアノで歌を歌ってきた人生ですが、自分の声で歌うのは・・・初舞台?!
緊張しそうです。

コメント

  1. yuko より:

    nishisanこそ、聴かせてください!
    そういえば、年を重ねても一番変化が少ないのが声帯だそうです。顔や髪に比べて声は変わらないそうです。国立音大は、優秀な声楽家の先生方がたくさんおられ、にぎやか。食堂はさながらオペラのシーンのようです。

  2. nishisan より:

    歌うのですか、
    知らなかった。
    次の機会には聴かせてください。