ラフマニノフ2番の魅力

1時に岡谷のカノラホールに到着。
ショパンの2番のコンチェルト以来のホールです。
前回よりスタインウェイが軽く感じられ、自分の指のせいかピアノの変化のせいか、と思いながら練習を始めました。
コンチェルトのときは、ピアノをステージ上のベストポジションに置けることはほとんどなく、必ずステージの前方にセリ出た位置に置かれます。ときには、ステージから落ちてしまうのでは?!というくらい前に出なくてはならないこともあります。ですから、上から音が逃げてしまわない、ぎりぎりの場所をねらいます。

ラフマニノフは、密やかなピアニッシモから、抉り出すような激しいフォルテッシモまで、振幅の大きな作曲家。
ピアノの名手の曲は、さすがで、弾くたびにオーケストレーションの見事さには、恐れ入る感じです。
クラリネットのレガートとヴァイオリンのピッチカートを合わせることで柔らかさと立ち上がりのクリアさの両方を出したり、波がうねるようなクレッシェンドでは楽器が怒涛のように増えていったり、フレーズの最後で溜息のように聞こえるように楽器をすっと一つ減らしたり・・・と数え上げればきりがありません。
テンポに関しては、100人いると100通りの解釈があり、そこが毎回の合わせのポイントになってきます。たとえば、ラフマニノフがメトロノーム記号を書いていない箇所、poco(少し)をどれくらいととらえるか、piu(もっと)やmolto(もっとも)はいかほどか、人によってさまざま。
演奏回数が多くても、落とし穴の場所も多いので油断できない難曲ですが、ピアノの魅力を全開にできる名曲だと思います。

110508

今回のプログラムは、前半がラフマニノフ、後半がチャイコフスキーの5番。
ロシアの大地を思わせる大きなスケールの演奏会になるよう、心を一つにしていきたいと思います。
小林研一郎先生指揮、諏訪交響楽団150回定期演奏会まであと1週間。
最後の詰めに入ります!

コメント

  1. yuko より:

    崖っぷちを全力で走り抜けるようなスリルの30分です。
    でも50名近いメンバーが心をひとつにして息をそろえる瞬間の悦びとエネルギーの爆発は、音楽の原点という気がしています。

  2. nishisan より:

    分かり易い書き方なので
    そうなのかと納得するけれど、
    オーケストラと、
    すごいことをやっているんですね。