みなさまは、ニーノ・ロータの名前をご存知でしょうか。
映画ファンなら、なんとなく名前を聞いたことがある、、、という感じの方もいらっしゃるかもしれません。
「道」「甘い生活」、「ロメオとジュリエット」「ゴッドファーザー」などイタリア映画黄金期のサウンド・トラックを担当していた作曲家です。
本日、2月25日(土)国立音楽大学講堂大ホールで、オペラ演奏研究部門のコンサートとして、このニーノ・ロータ作「ノイローゼ患者の一夜」が日本初演されました。
二枚目俳優というイメージの強かった小鉄和広さんが、パジャマ姿でノイローゼで眠れないというホテルの変人客を熱演。
昨日、講堂前の道でばったりお会いした高橋薫子さんは、官能的な隣の部屋の女性として登場。
指揮は、河原忠之さん。
「ピアノより指揮が楽しい」
とおっしゃる河原さん。
オペラも歌い手の生理もイタリア語のリズムも知り尽くしたタクトで、今日の初演を素晴らしい成功に導いておられました。
大学の講堂とは思えない?!スリップ姿の「彼女」やHな場面のやりとりなど、会場は沸きに沸き、オペラは敷居が高い、とか現代音楽はわかりくい、などというオペラに縁遠い方でも、いえ、そういう方にこそ聴いて、見て参加していただきたい初演でした。
この曲、1950年にファルサ(一幕ものの軽い喜劇)として作曲されましたが、初演は10年後の60年。あまり日の目を見てこなかった作品のようです。
けれど、歌とオーケストラに異名同音を使って独特の色彩感が現れたり、ロッシーニのオペラを思わせるようなクレッシェンドなど、魅力満載の作品。これから国立音大を発信地としてブレイクする作品となる可能性も感じました。
最初の1時間は、総監督の小林一男先生のレクチャー。
美しいテノールのお声でニーノ・ロータの世界へ導いてくださるレクチャーでした。
河原先生の美しくまた的を得たピアノに乗って、小林菜美さんらが、演奏のプレゼントもしてくださり、ニーノ・ロータという才能あるイタリア作曲家にぐんと近づいた一日でした。
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