ベーゼンドルファーとウィーンの伝統

ウィーンからベーゼンドルファーのディレクター、オスさんご夫妻が来日され、ウィーン談義、音楽談義の楽しいひとときでした。ウィーン前古典派を専門としておられたオスさん。こまやかで優しいお人柄は、ある意味、日本人が忘れている日本人の心を思い起こさせてくれます。

奥様は、国立音大ピアノ科出身。恩師にご挨拶されたり、初めて見る新校舎や懐かしい講堂など母校訪問!
講堂のピアノ庫のベーゼンドルファーを見ていただいたり、楽器学資料館の歴史的ベーゼンドルファーの年代特定のためにチェックをしていただいたり・・・。

ウィーンの伝統を楽器として体現しているベーゼンドルファー。
ベーゼンドルファーでモーツァルトやシューベルトを弾く時は、ウィーンの街並みや郊外にあるベーゼンドルファーの工場、作曲家が暮らしたウィーンの街が目に浮かびます。
木をゆったりと乾かし、木を響かせる、というコンセプトの楽器造りの伝統は、現代まで受け継がれています。

国の首都の中で、ワインを製造している首都は、ウィーンだけだ、という話題になりました。それだけ、自然豊かということでしょう。ウィーン育ちのオスさんに、日本の中で好きな場所は?とお聞きすると「立川」というお返事で驚いたのが、数年前。そんなこともあって立川での再会となったのですが、オスさん曰く
「立川は都会の要素と田舎の要素、その両方を兼ね備えている。それが、なんとも自分にとって快適なのだ」
そうです。
国立音大は、そのようなとてもよい立地条件に恵まれていることを、改めて知らされました。

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