イタリアへ出発

11日はリサイタルを終え、夜遅く、帰宅。
夜中に「彦や」さんで、軽くワインを飲んで打ち上げをしました。
イタリア旅行の準備は何もできていません。

若い頃、引越し屋さんに「あんた、片付けがうまいねぇ。ピアノなんかやってないで、うちで働かないかい?」とスカウトされたことがありましたが、たとえ誰かと駆け落ちをしよう、なんてことになったとしても、3時間後には玄関を出ることができるくらいの自信がありました。
最近はさすがに物が増えてそこまではいきませんが、パッキングなどは得意なほうです。ポンポンとスーツケースに物を詰めて、成田空港に直行。

スイス航空「チューリッヒ経由ヴェネツィア行き」に乗りこみました。
航空会社にもお国柄が現れます。
オーストリア航空の真っ赤なコスチュームのスチュワーデスさんと充実したコーヒーのメニュー。エキゾティックでセクシーな民族衣装のスチュワーデスさんのサービスが嬉しいシンガポール航空。食べ物とワインが美味しいエアフランス・・・。
スイスは、時計の国、さぞ機器もしっかりしていて万全で正確・・・と思いきや、離陸1時間後、椅子が壊れていてリクライニングにならないことに気づきました。旅の最初からジョーカーを引いてしまった気分で、客室乗務員の方を呼ぶと、100キロを優に越えると思われる男性乗務員さんが来られました。
「これはときどき起こる現象です。いったんコンピュータのほうをリセットしますので5分ほどお待ちくださいね」と言い残してカーテンの後ろに・・・。
ところが約束の5分が過ぎても直る気配がありません。
「え?まだ直りませんか?それでは、ちょっとお立ちいただけますでしょうか、お客様」
「・・・・」
そのあとの行動はというと、
なんと椅子をゴーン、ガーンと巨体で蹴っ飛ばし始めたのです。
そして、驚くべきことに・・・
直ったのです。
ときどき電気製品を叩いて直そうとする無謀な人を見ますが、それとほとんど変わりません。

確かに「時計の国」は「椅子の国」ではなかったようです。こまかなゼンマイ仕掛けの職人技は、コンピュータ制御のリクライニングシートとは無縁ということでしょうか。
いずれにせよ、ほっとひと息。
コンチェルトの譜面を読んだり、映画を見たりしていると、右斜め前の女性も私と同じ境遇だったようで、件の巨体乗務員の「蹴り」が入っていました。

コメント

  1. yuko より:

    watanabeさん
    コンピュータも万能ではなく、ときには、人間の勘と経験と技術のほうがはるかに優れているってことも多いのですね。

  2. watanabe より:

    なんとアナログな直し方なんでしょう!とても2012年とは思えません(笑。でもアナログだからこそ出来ることってあると思うんです。デジタル化に負けず頑張れ、添乗員さん!(それとこれとは違うか(笑