久石譲先生・公開レッスン

「久石譲先生公開レッスン、特別公開レッスン開催迫る!」
と書いただけの地味なビラが配布されたのが先々週のこと。
オペラスタジオで聴講自由、とありました。
「空間軸の考察」というテーマに惹かれ、スタジオに向かうと・・・・。
これまで見たこともないような学生の行列。なんとスタジオから校舎の外までずら~~っと並んだ2重、3重の行列。
職員の方たちが、混乱を防ぐために小走りで対応されています。
さすが国立音大の礼儀正しい学生さんたち、混乱もなく、順番に会場に入りましたが、半分以上は立ち見というギュウギュウ詰め状態です。

音と時間を限定された中で作曲に取り組んだ3年生7人の作品が発表され、それぞれの曲に対し、久石先生のアドバイスがありました。
自分で演奏する人、仲間に演奏を依頼した人、ピアノ曲という同じジャンルであっても反響板をはずす人、機種を変える人など、それぞれにこだわりを持つ作曲科の学生の作品に、先生は、ズバッと切り込みます。
「音を選んだ基準は何なの?」
「バランスよく描けすぎているので、もっと焦点を絞りこんでみるのもいいのでは?」
「演奏するとき、ちゃんと刻んで弾いたほうがいいぜ」
「感覚だけでは説得力がない。論理的でもないといけない」
「コンセプチュアルだ。いいね!」などなど。

最後に先生のお話。
作曲ってナマモノなんだ、モーツァルトも昔はナマモノ。そして彼は当時のアバンギャルドだった。40番のシンフォニーも展開部でfis mollを使ったりしている。
当時、情景描写みたいな曲が増えてきて、自分のコンサートにだんだん客が入らなくなってくる、けれど、最後までチャレンジをし続けている。手紙の中で、「僕ほど勉強している人間はいない」と書いている。それくらいしないと技術ってものは身につかない・・・

卒業生の出世頭として、作曲家学生の憧れの的、旬の作曲家、久石譲招聘教授。
前回の公開レッスンもそうでしたが、
「若いときに、とにかく基礎をしっかり勉強しろ」
「古典を徹底的に学べ」
「若いときのアイデアはいつか使えるときがくるからとっておけ」
と、地道なアドバイスを後輩たちにお話しになっておられました。

卒業生の活躍は、そのまま在校生の希望や夢と直結。
くにたちで学んだ、という共通経験のもと、様々な分野で活躍し、次世代を作っていく核になっていってほしい、と思います。

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