神奈フィル~癒しの旋律と祈りの歌声~

130202-s今日は、神奈川県民ホールで開催された、神奈川フィルハーモニー管弦楽団 「午後のラグジュアリークラシック」に出演させていただきました。
「癒し」と「祈り」がコンセプト。プログラムは、ゆったりした美しさと静謐な愛情に満ちた曲で構成されています。

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ヘ長調のベートーヴェン「ロマンス」に続き、同じへ長調で、モーツァルトのピアノ・コンチェルト第21番の第2楽章。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」のあと、ラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番の第2楽章。
自然にうつろいながら、曲が進んでいきます。
後半の合唱での「祈り」も、会場がひとつになっていくようでした。

この 神奈川県民ホール は、先日、グルベローヴァが最後の日本公演を行った会場で、楽屋や階段を通るときも、
「グルベローヴァさまがここをお通りになったのだ・・・」
と、感慨にふけりました。
この会場はデッドだと聞いていたのですが、そんな心配もなく、高い天井が響きを助けてくれるように感じました。

昨日の合わせと今日のGP。回を重ねるごとに、音と息が見えてきます。
モーツァルトは、綺麗に透き通っているように見える楽章の中でも、実は驚くほどの不協和音や波立たせるような暗い音も使っています。そこからまたもとの明るい光に戻る場所が変イ長調で書かれていて、何度弾いても「天才!」と思える箇所です。
この静かなクライマックス・・・神奈フィルさんの透明な音がホールに響きました。

ラフマニノフは、弦や管のパートの中では、ひとつの音符にクレッシェンドを書いていますが、同じ旋律をピアノが奏でるときはクレッシェンドは書いていません。ハンマーが弦を打つ、という原理で演奏されるピアノの長所、短所を知りぬいた作曲家でもあり、最大限にピアノの魅力を引き出した作曲家でもあります。
オーケストレーションが素晴らしく、際立たせたい楽器に光を当てたり、その箇所にふさわしい楽器に語らせたり、同じ旋律を違う楽器が弾くとき、クラリネットにはレガートで、ヴァイオリンにはピッツィカートを指示し、独特の効果を挙げています。
あらためてこの曲の緻密さを肌で味わうことができました。

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指揮の伊藤翔さんと握手。

帰路につかれる、たくさんのお客様の笑顔が嬉しいコンサートでした。
お世話になりました、神奈フィルの皆様、本当にありがとうございました!

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