ショパン@神戸ポートピアホール

3月30日神戸ポートピアホールにおきまして久元喜造講演会があり、市長として3期目に入った主人が、故郷神戸への想い、国際都市神戸としての役割、withコロナの中で堅実でスピーディーで建設的な行政を目指す覚悟などをお話しさせていただきました。

それに先立ち、私がピアノトーク&コンサートをいたしました。春の花が満開の神戸、久しぶりに多くの神戸の皆様とお会いでき、有難く嬉しいひとときでした。

昨年来、パンデミックの期間数回延期になり、ようやく実現した会でした。今回はプログラムを全面的に変更し、ショパンの作品を中心に弾かせていただきました。

パリのサロンの寵児として活躍したショパンは、ノクターン、ワルツなど洗練されたピアノ小品を多く作りましたが、心の中は故郷ポーランドへの想い、そして亡命作曲家としての喪失感で苛まれていました。

ショパンの《革命》のエチュードは、21歳のショパンが、ロシアの圧政に苦しむポーランドの勇士達の蜂起とワルシャワ降伏の知らせを受け、その怒りの中で作曲された曲です。1831年9月16日付けの手紙でショパンは「おお神よ、復讐をしないのか!モスクワの犯罪がこれだけになってもまだ飽き足らないのか!」と旅先のシュトゥットガルトから悲痛な手紙を家族に送っています。大国の隣国にある人々の悲劇の歴史は繰り返され、今のウクライナに通じるものを感じます。現在ポーランドが、ウクライナから避難する人々を最も多く受け入れていることが報道されています。

映画「戦場のピアニスト」に使われた《夜想曲 嬰ハ短調 遺作》や《幻想即興曲》を弾いていますと、ショパンの心の原風景と心の叫びが立ち現れるかのようです。

コンサートの最後は、ムソルグスキーの《キエフの大門》を弾かせていただき、舞台の照明は、青と黄色のウクライナ国旗の色にしていただきました。翌日のニュースで、今後ロシア語から来る「キエフ」という呼び名ではなくウクライナ語の「キーウ」と呼ぶことが発表されました。明日からこの曲を弾く時には、《キーウの大門》となります。

異なるハーモニーによって美しい音楽が構築されるように、国際社会の平和のハーモニーが奏でられる日を願うばかりです。

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