たましんRISURUホールにおきまして国立音楽大学コンサートが行われました。
国立音楽大学と立川市の「連携・協力に関する協定」が締結されたのが2008年。その協定締結を記念した演奏会で、今回で5回目となります。今日も庄野進学長先生と清水庄平市長が会場で、ご来場のお客様をお迎えくださいました。
「モーツァルトいまむかし」と題し、前半は、ピアノフォルテ2台を使ってのレクチャーコンサート、そして後半はベーゼンドルファーを使い、今村能先生指揮、フィルハルモニア多摩の皆さんとの共演でピアノコンチェルト第23番を演奏させていただきました。
鍵盤の深さも重さも違い、同じ「ピアノ」とは呼べないほど隔世の感があるモーツァルト時代のピアノと現代のピアノ。現代におけるモーツァルト演奏に、モーツァルト時代の楽器の美学をどこまで生かせるか、という挑戦でもありました。
私たち現代のピアノ弾きは、深さ10ミリの鍵盤の中でタッチを変化させ、コントロールすることによって、音色、強弱、ニュアンス、響きを表現していきます。ピアノフォルテの場合は、深さが5,6ミリしかありません。ピアニッシモの繊細さは、ある意味、”いま”の私たちのボーダーラインをはるかに超えたところにあり、この弱音を経験することによって、現代ピアノの演奏にも大きな収穫をもたらしてくれ、楽器が教えてくれることの大きさを感じます。
最近、複数の楽器を一つのステージで演奏する機会が多くなりました。一瞬前のことを忘れてしまうおめでたい性格のおかげで?!次の楽器に乗り移れるのかもしれません。
歴史的楽器は、リハーサル前の搬入に始まり、本番間際まで調整、調律も手間取り、気苦労も絶えないのですが、それを楽しいと思わせてくれるのは「音楽」そのものであり、何より、助けてくださる音楽の仲間たちです。それぞれの分野で一緒にステージを作ってくださったおひとりおひとりに感謝し、ご来場くださった皆様にお礼を申し上げます。
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