歴史的ピアノの内部調査に伴うワークショップ

国立音大・楽器楽資料館「ピアノ・プロジェク」トの一環として、所蔵鍵盤楽器の調査が行われましたが、この調査の過程を公開するワークショップが開催されました。
若干名という枠の募集でしたが、予想をはるかに超える参加者が集まり、スタジオはぎっしり。
浜松市楽器博物館民音音楽博物館 からもご参加くださり、ほかの技術者の方々とともに、活発な意見交換が行われました。

講師は、島延之さん。ドイツから一時帰国され、プレイエルとジョンブロードウッドに関する調査をしてくださいました。
1848年ごろ制作のプレイエルは、大学に来てからずっと調査待ちの状態が続き、今回初めての公開となりました。
調査のときにお邪魔させていただいたとき、私のプレイエル(1843年製)に入っているのと同じサイン「ドノゴエ」を発見。当時のプレイエル社で技術部門最高責任者であったドノゴエの焼き印があることによって、当時のアクションのオリジナルであることが判明しました。
下の写真は、私が所蔵しているプレイエルです。

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ハンマーヘッドは、木芯の上に皮が2層に巻かれ、その上にフェルトが巻かれています。鉄弦が張られ、低音の巻線は、銅が張られています。
突然のご指名だったのですが、ショパンのノクターンを弾かせていただきました。音色は柔らかく、素直に伸びていく素晴らしい音でした。
今後、調整を続け、いい形で音色が蘇っていくことを予感させてくれる一瞬でした。

オリジナル性を追及しながら、音の生命を蘇らせる「ピアノ・プロジェクト」の方向性を確認した3時間でした。

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