イタリア滞在、最終日。昨日お会いしたフランコ先生のコレクションのうち、ボローニャの市内にある15台を弾かせていただくことができました。
Piazza Rosini 近くの博物館には、コンサートも出来る大きなスペースがあり、歴史的楽器が並んでいます。お馴染みのプレイエル、ヴァルターの息子、ブロードウッド、スタインウェイなどとともに、珍しい楽器も・・・。
1630年頃に制作された指揮者用のチェンバロは、立って弾くことができる高さに出来ていて、鍵盤楽器は、アンサンブルのための実用的な楽器であったことをあらためて実感。
1795年あら1800年頃に制作されたヨハン・シャンツは、膝のダンパー開放装置がついているのですが、ダンパー解放が左、モデラートが右という並びになっています。理由は連弾のためかもしれません(鍵盤に向かって左側の人がバスを弾きダンパー解放を受け持つため)が、ソロを弾くときはめっぽう不便!この時期のウィーン、そんなに連弾を弾く人が多かったのでしょうか?!
また同時期のシャンツでも、全く装飾が違うものがあり、装飾やペダルはオプションで付けられたことを示していました。おそらく注文主の予算やニーズによって、シャンツが配慮したものと思われます。まさに製品ではなく「注文作品」「工芸品」であったというわけです。
午後からは、ひたすらボローニャの街歩き。
モーツァルトが演奏したサン・ドメニコ教会のオルガンの前に立つと、なぜか涙が・・・。
モーツァルトが1770年3月、マルティーニ神父から対位法の指導を受けたサン・フランチェスコ教会近くの楽譜屋さんで、マルティーニ神父作曲のソナタの楽譜を購入。
多くの出会いと感動の旅も終わりに近づきました。
ボローニャの街に別れを告げ、翌朝、まだ太陽が昇らぬ暗いうちにホテルを出発しました。 2014.9.19
コメント
青春22きっぷ様
コメントありがとうございます!
旅先でのうるうる、青春22きっぷ様とまさに同じ状況でした!
螺旋階段を上ってオルガンの前で得意げにお辞儀をするモーツァルトの姿が見えたように感じたのです。時を超えて幻を見せてくれるのが、旅なのかもしれません。
素晴らしいイタリア旅行の記事を興味深く読ませて頂きました。で、「なぜか涙が・・・」の所でジーンとし暫し立ち止まってしまい・・・あることを想い出したのです。それは、
初の海外旅行先のヴェネチアのサンマルコ寺院。薄暗い内部に入って見回したときでした。ガブリエリがモンテヴェルディがここで、と思ったら、うるうるしてしまいました、何故か。何一つ音楽を奏でられない私でも。。。
「モーツァルトさん、ありがとう!」の久元先生に感謝!!