静岡 音楽舎にて

静岡の音楽舎で小著「ショパンとプレイエル・ピアノ」(学研パブリッシング)を教材に、セミナーをさせていただきました。
ショパンがサロンで演奏した曲は、やはりサロンの空間が一番相応しく響くように感じます。ひそやかなピアニッシモが細やかに届く距離感をショパンは愛したように思えます。今日の音楽舎は、サロンでの一体感が生まれるようなあたたかいスペースでした。
ショパンがプレイエルを弾きながら記したペダル記号は、ショパンの美学が表れています。ハーモニーの移り変わりに関しては、厳格に踏み変えを要求し、濁りを許さない一方、時にはバスの音を残しながら、その響きの中にメロディを重ねていきます。そのこまやかな技とセンスを、現代のピアノにどう活かすか・・・等々微細な音の違いを感じていただける空間だからこそできるセミナーでもありました。
通りに出ると富士山が見えます。
音楽舎の川田茂夫社長さんは、子供の頃から「富士山が見えるのが当たり前」だったそうですが、旅人の私にとっては、富士山はやはり「特別の山」で、冬の澄んだ空気の中でくっきりと見える大きな姿にわくわくしてしまいます。
セミナーとレッスンのあと、新幹線で新神戸に向かいました。
窓から見える夕陽もショパンのハーモニー同様、色合いを刻々と変えていきました。
磐田市 前野
2014-11-21-16-28-32
浜松市 飯田町
2014-11-21-16-29-29
豊橋市 清須町
2014-11-21-16-50-57

コメント

  1. yuko より:

    あがるまさん。
    コメントありがとうございます。私はエラールの1868年製を愛用しています。
    ベヒシュタインでは、「ノスタルジア」というCDを録音したり、ときどきコンサートなどで使わせていただいたことがありますが、たしかに、ホールでベヒシュタインが入っているところは少ないですね。

  2. あがるま より:

    プレイエルとかべゼンドルファの名前やピアノ以前の楽器は出て来ても。私の好きなエラルやベヒシュタインは何故出て来ないのか?ベヒシュタインの女社長がヒトラの心酔者だつたことやハンブルクの工場が爆撃されて製造できなかったこともあり戦前の日本では何処でも使ってゐたのに松尾楽器に駆逐されてしまつたのは残念。
    エラルはラヴェルが好んだのだつたか?