シューベルト

西新宿の朝日カルチャーセンターでの公開講座。
今日は、シューベルトの即興曲を取り上げました。

0605-3

たった一音を動かすだけで悲しみの表情から涙が消えたり、絶望の淵に希望が見えたり。
シューベルトが書いた音の記号からどれだけの表情を読み取り、どう色あいの変化につなげていくかが問われます。

シューベルトの即興曲は、窓をあけ、自然に風が入り込むように始まり、心に温かい灯火をともすように曲が流れ、親しい人と親密な時を過ごしたあとのようなあたたかな気持ちで曲が終わります。

限りない憧れを秘め、言葉を語るように、詩を詠むように、音楽が流れます。

ここのところ、モーツァルト愛好家のみなさんにお会いすることが多い毎日ですが、今日は、シューベルティアーナの一日。
「また是非シューベルトやってくださいね。絶対ですよ」
とおっしゃってくださった女性の目には、温かい優しさがあふれていました。
無機質でギスギスした社会に疲れた現代人にとり、シューベルトはオアシスのような作曲家であるような気がします。

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